単一の座標系による 5 軸位置決め

この方法は 1 つの基準原点のみを用いるため、セットアップにかかる時間を短縮することができます。

  1. 複数のセットアップでパーツを作成して、次のいずれかを実行します。
    • ストック ウィザードの 多軸位置決め ページで 5 軸位置決め を選択して、次へ をクリック
    • ストック プロパティ ダイアログの 割り出し設定 タブで 5 軸位置決め を選択して、座標系位置 をクリック
  2. 基準原点としてこのセットアップ原点を使用 ドロップダウン リストから、セットアップを選択します。このセットアップの Z 軸は、A 軸と平行でなければなりません。
  3. 旋回中心から基準原点までのオフセット の各座標に、A 軸のフェース中心から 5 軸基準原点までの距離を入力します。この距離は、パーツごとに異なります。

    次の例では、X オフセットと Y オフセットはマイナス、Z オフセットはプラスになります。

    A 軸のフェース中心

    基準座標系原点

  4. 第 1 回転軸オフセット に、B 角度が 0 に設定されている場合の、スピンドルの軸と A 軸間の角度(反時計回りの角度)を入力します。

    例えば、B 軸が 0 で A 軸がスピンドルに面している場合、0 を入力します。次の例のように、B 軸が 0 で A 軸がドアに面している場合、-90 を入力します。このオフセットは、同じマシン上ではすべてのパーツに共通です。

    A 軸

    スピンドル軸

    B 軸回転

  5. 優先オプションを選択します。
    • 工具優先 - 工具変更の回数を最も少なくしてすべてのセットアップを加工できるように工程を並べ替えます。
      注: 工具優先 を正しく作用させるには、加工順序自動設定オプション ダイアログの 工具変更を最少化 も選択しなければなりません。
    • セットアップ優先 - 各セットアップ内の工程を完全に加工してから、次のセットアップに移ります。セットアップ内での工程の加工順序は、フライス加工の順序設定により決まります。

      単一の 5 軸割り出しプログラムを作成する場合、シングル プログラム作成 をクリックします。このオプションを選択した場合、最初のセットアップにシミュレーション情報を指定すると、その内容がすべてのセットアップに適用されます。

  6. ストック ウィザードの 終了、または、ストック プロパティ ダイアログの OK をクリックします。
  7. ツールパスを生成します。ツールパスが 工具優先 の場合、加工順序自動設定オプション ダイアログの 工具変更を最少化 が選択されていることを確認します。

    工具中心軌跡シミュレーションと、3D シミュレーションの両方でシミュレーションすることができます。工具中心軌跡シミュレーションでは、5 軸再位置決めの際に円弧が表示されます。3D シミュレーションでは、パーツの位置と方向は固定され、工具が移動します。セットアップからセットアップへの工具移動はスムーズに切り替わりません。工具は、(一度画面から消えてから)新規セットアップに再表示されます。

  8. 5 軸のポスト プロセッサーを選択して、NC データを作成します。
  9. NC データは、B 軸の座標系に基づいて出力されます。パーツの位置決めには、1 つの基準原点のみが用いられます。
  10. 回転中心オフセット の値は、ポスト プロセッサー ファイルに含まれています。詳細については、5 軸ポスト プロセス変数 を参照してください。