AutoLISP ファイルをコンパイルする(AutoLISP/VS Code)

AutoLISP ソース(LSP)ファイルは、配置または配布する前に FAS および VLX ファイルにコンパイルし、それらに含まれるコード文を保護および最適化することができます。

注: LSP ファイルのコンパイルおよびコンパイル済み LSP ファイルをロードする機能は、Windows でのみサポートされています。

AutoLISP のソース コードをロードするたびに、そのコードはコンピュータが認識できる命令(実行コード)に変換されます。

ソース コードはロードされるたびに変換されるため、変更してすぐに使用できるというメリットがあります。これは、新しいコードをすばやくテストしたり、コードのデバッグに役立ちます。

一度プログラムが正しく動作することを確認してしまえば、その後は AutoLISP のソース コードがロードされるたびに変換されると、その分だけ時間を費やすことになります。AutoCAD は、ソース コード ファイルから実行可能なマシン コード ファイルを生成するコンパイラを備えています。これらの実行ファイルは、一般に「FAS ファイル」と呼ばれています。実行ファイルにはマシンが理解できるコードのみが含まれるため、たとえプログラムを多数のユーザに配置または配布したとしても、何週間または何ヵ月間も費やして開発したソース コードは隠れたままです。文字列とシンボル名は、コンパイル時に暗号化されます。

AutoCAD には、複雑な AutoLISP アプリケーションを、「アプリケーション モジュール」とも呼ばれる Visual LISP 実行(VLX)ファイルにパッケージ化する機能もあります。VLX ファイルには、TXT ファイル、 DCL ファイル、コンパイルされた AutoLISP コードなど、追加のリソース ファイルを含めることができます。VLX ファイルを使用すると、特定の関数だけを選択して書き出したり、プログラムの変数とユーザが AutoCAD で設定したり取得できる変数との壁を保持することによって、アプリケーションのオペレーティング環境をさらにコントロールすることができます。

AutoLISP コンパイラにアクセスして使用するには、いくつかの方法があります。ファイルのコンパイルに使用する方法は、コンパイルするファイルの数や複数のソース コード ファイルを 1 つのアプリケーション ファイルにコンパイルするのかどうかによって変わります。次のようにコンパイルすることができます。

アプリケーション モジュール

AutoCAD は、アプリケーション用に単一のスタンドアロン実行モジュールを作成する機能を備えています。

このモジュールには、複数のコンパイルされたファイルおよびソース コード ファイルが組み込まれ、アプリケーションが必要とする DCL、DVB、その他のファイルを含めることができます。実行可能な Visual LISP モジュールは 「アプリケーション モジュール」と呼ばれ、拡張子 .vlx が付いたファイルに格納されます。

[アプリケーションを作成]ウィザードを使用すると、AutoCAD で手順を追ってアプリケーションを作成できます。この操作によって、拡張子が .prv のアプリケーション作成(PRV)ファイルが作成されます。PRV ファイルには、AutoCAD が Visual LISP 実行(VLX)ファイルを作成するために必要なすべての命令が含まれます。

アプリケーションのソース コードのほんの一部だけを変更する場合は、更新されたファイルのみをコンパイルして、AutoCAD でアプリケーション VLX を再作成することができます。

AutoCAD は、PRV ファイルに含まれる情報に基づいてアプリケーションを再作成し、次の場合には自動的にアプリケーション ソース コード ファイルをコンパイルします。