法線とサーフェスの方向

法線は、カーブまたはサーフェス上のポイントに直交する、実際には存在しないラインです。

右手の法則に従って、サーフェス上のUおよびVアイソパラムの方向によって、サーフェス法線の方向が決まります。この法則は、右手の親指でU方向、人差し指でV方向を指すと、この2つの指に対して直角に曲げた中指がサーフェス法線を指すというものです。

法線は、カーブまたはサーフェスのシェイプの間接的インジケータです。法線はカーブやサーフェスに対して常に垂直であるため、それらが互いに向き合っているかまたは逆向きであるかによって微妙な曲率を示すことができます。

Alias 2008より前のバージョンでは、モデリングツールや評価ツールでも、サーフェスの「前面」と「後面」、または「外側」(法線ポイントが外に向かう側)と「内側」(たとえば、シェルを作成するとき)を定義するのにサーフェス法線を使用していました。 モデリングツールや評価ツールで使用するためにサーフェスの向きを変える場合は、ジオメトリ自体を変更する必要がありました(UまたはVの方向を反転するか入れ替えて)。これにより、コンストラクションヒストリは壊れ、テクスチャマッピングに影響を及ぼしていました。負のスケーリングやミラーリングなどの操作では、サーフェスの内側と外側が逆になることもありました。

Alias 2008では、サーフェスに対する向き(orientation)の概念が導入されました。これにより、モデリングや評価の目的で、サーフェスが向いている方向(向き)を、UおよびVの方向(接線)から切り離すことができるようになりました。これで、サーフェスの向きを変更しても、コンストラクションヒストリは保持されるようになり、テクスチャマッピングが影響を受けることもなくなりました。

すべてのツール(Ambient OcclusionDraft EvaluationParting LineOffset)において、サーフェス法線ではなく向きを使用してサーフェスが向いている方向を定義するようになりました。Surface Edit > Orientation サブメニューには、サーフェスの向きを変更するための 3 つのツールが用意されています。これらのツールは、UおよびVの方向に影響を与えずにサーフェスを反転します。したがって、向きは法線と同じ方向(既定)、または反対方向になります。

Show Orientationオプションをオンにすると、Diagnostic ShadingMulti-Colorモードは、青色と黄色を使用してサーフェス方向を示します。青色は、サーフェスの前面が観察者の方に向いていることを意味します。黄色は、サーフェスの背面が観察者の方に向いていることを意味します。前述のとおり、次の図で示すように、この向きはU、V、およびサーフェス法線には依存しません。

レンダリングの知識をお持ちであれば、サーフェスの向きを変更することを、Render > Editors > Render StatsOppositeフラグを反転することとみなすことができるでしょう。実際にこれがOrientationツールで行っていることです。

サーフェスのUまたはVの方向を変更する必要がある場合は、別のツール(Surface Edit > Reverse Surface UV)で行うことができます。このツールはサーフェス法線に作用しますが、サーフェスの向きには影響しません。これは、たとえばテクスチャマッピングを反転する場合などに必要になります。

ファイルを書き出す場合は、サーフェスの向きの情報は、ファイルフォーマットが何らかの方法でその情報をサポートできることを前提として変換されます。