ソリッド モデリングの許容誤差要件

許容誤差内でソリッド モデリングを行うには、モデルを作成するときにモデリング単位と許容誤差を管理することが重要になります。基本的な線形の計測単位としては、一般的に mm(ミリメートル)かインチを使用します。許容誤差の標準値は、エンジニアリング系の CAD システムに適用できるように開発されたものです。

ヒント:

会社やクライアントが使用している標準値が分からない場合は、CAD システム管理者に問い合わせてください。単位と許容誤差はモデリングの最初の段階で設定し、Construction Options ウィンドウでプリセットとして保存します。次に Alias を開くと、Alias を前回終了したときに使用されていたプリセットが有効になります。

ターゲット システムでサーフェスを正常に結合または位置揃えするには、モデルのサーフェス間のギャップが、ソリッド モデラで定義されている精度よりも小さい必要があります。

ヒント:

さまざまな許容誤差を設定するには、Preferences > Construction Options を使用します。

有理ジオメトリと非有理ジオメトリは、データ変換に重要な関係があります

Preferences > Construction Options ウィンドウでは、新しく作成するジオメトリに有理コンポーネントを含めるか、非有理コンポーネントを含めるかを指定できます。

有理ジオメトリの CV のウェイトは均一ではありませんが、非有理ジオメトリの CV のウェイトはすべて同じです。有理ジオメトリをサポートしない一部の CAD システムでは、ジオメトリの有理要素は読み込み時に再構築されます。このためデザインが意図を外れて変更されることがあるので、使用する CAD システムで有理ジオメトリがサポートされているかどうかを事前に確認しておく必要があります。

少ないアイソパラメトリック カーブで有理フィレットを作成すると、隣接サーフェスとの接線性が最大で 10 倍も正確になります。これは Alias の長所ですが、ジオメトリをソリッドモデラに転送するとこの長所がさらにはっきりとわかります。隣接するサーフェスの接線性の精度が上がると、読み込まれた Alias のデータがその後の操作でより使いやすくなります。たとえば、厚みの操作中にジオメトリをより遠くにオフセットすることができるようになります。

以上の条件を満たしたら、試しに変換を何度か行い、ジオメトリが Alias から問題なく転送されるかどうかを確認します。書き出しを前提としたプロジェクトを Alias でモデリングする前に、ジオメトリのサンプルを試作的にモデリングしてから転送し、使用する CAD システムでステッチを試してください。これにより、完成したモデルが問題なく転送されることを確認できます。

モデルの作成や確認、または変換のデバッグを行っている場合は、数多くの Alias ツールを使用し、作成したジオメトリの精度をチェックできます。最も便利なツールは、サーフェスの連続性チェック機能(Evaluate > Continuity > Surface Continuity)と Min/Max 計測ツール(Locators > Deviation)です。これらのツールを使用して Alias でのサーフェス境界間の最大距離をチェックし、モデルの完全性を確認してから使用する CAD システムに転送します。