検証のための理論ケース

責務設計工程におけるステップの 1 つとして、検証が挙げられます。設計を検証するには、多くの場合、信頼できる単純な理論ケースを計測尺度として使用するのが効果的です。次のケースは、そのようなケースです。

シミュレーション出力の検証の遂行に使用される計算式および前提条件を、次のケースに示します。

変位、質量とばねのケース

単純な質量とばねの検証ケース。

ニュートンの法則:

(1)

ここで

  数値:
: 時間 t を基準とした位置  
: 速度  
: 加速度  
: ボディの質量 (kg) 10
= ばねのダンピング(N.s/m) 20
= ばねの剛性(N/m) 15000
= ばねの自由長(m) 0.3
= 重力(m/s2) 9.81
= 初期位置(m) 0.33
= 初期速度(m/s) 0.0

(1)

かつ

 

(2)

この微分方程式の求解は、次式のようになります。

 

(3)

系が安定のとき、特定の求解における前提条件を かつ x = B とします。

このとき (2)

 

 

(4)

初期条件によって、A の値および が与えられます。

t = 0.0 のとき、(3)

 

(5)

 

かつ

 

(6)

よって、(3)でレポートされた(4)および(6)によって変位の計算式が与えられます。

さらに、この計算式を Excel でプログラミングし、その結果をダイナミック シミュレーションで与えられた結果と比較すると、それぞれの結果は同一になります。

位置と速度、クランクとピストンのケース

位置と速度、クランクとピストンのケース

既知の値: クランク軸の回転中心点からのクランク軸ジャーナルの「スロー」または距離、および主軸受ジャーナルとピストン ピン ジョイント間の連結ロッドの長さ。

定義

R = length(OP) = クランク軸のスロー

L = length(PQ) = 接続ロッドの長さ

 

絶対座標系 R0 = (x0, y0)を基準とした相対位置 Q の速度

// R0 における Q の位置
// R0 における Q の速度
ここで

ただし

ここで
かつ
このとき

点 Q は常に y0 軸上にあります。x0 成分は 0.0 です。

よって、(1)を使用すると  
 

計算式(1)により が与えられますが、これは時間軸を基準とした線分ではないため、 は定数でなく、 は単純周期関数にはなりません。

(1)

かつ

MS Excel と数値(L=0.125m、R=0.06m、および

rad/s)を使用して、点 Q における位置と速度(下記)を計算しましょう。

位置:

 

速度:

 

結果: ダイナミック シミュレーションの曲線は、理論計算式により生成される曲線と同一になります。