スケッチ ブロック

多くのアセンブリ設計では、リジッド形状が繰り返されます。スケッチ ブロックは、そのような形状を固定セットとして取得し、そのセットのインスタンスを配置できます。たとえば、油圧シリンダを表す 2D スケッチがあり、アセンブリには 4 つの油圧シリンダがあるとします。油圧シリンダを表すスケッチ ブロックがある場合は、そのブロックの 4 つのインスタンスをアセンブリ レイアウトに配置できます。これらのインスタンスはスケッチ ブロックで定義されており、ブロック設計の変更が反映されます。

スケッチ ブロックとインスタンスのジオメトリ

スケッチ ブロックは 2D パーツ スケッチで作成します。このスケッチ ブロックは、スケッチ オブジェクトのみで構成されます。あらかじめジオメトリを選択してからブロックを作成したり、[ブロックを作成]コマンドがアクティブな状態でジオメトリを選択することができます。ブロックで構成されるジオメトリはブロック定義に取り込まれ、そのブロック定義のインスタンスによって置き換えられます。

ブロック定義のインスタンスをスケッチに配置できます。ブラウザでは、各インスタンスは親スケッチの下に表示されます。

ブロック インスタンスは、[ミラー]コマンドや[パターン]コマンドを使用して作成できます。

一部の 2D スケッチ ジオメトリはスケッチ ブロックでは使用できません。このようなジオメトリを選択して[ブロックを作成]を実行すると、警告メッセージによって問題が通知されます。ブロックは作成されますが、不適切なジオメトリは除外されます。

スケッチ ブロックのジオメトリ

  • 円弧/円/ポリゴンの中心点
  • 円弧/円/スプラインの終点
  • 個々のスプライン点 - スプライン全体を選択する必要がある
  • 投影されたジオメトリ
  • 派生ジオメトリ
  • シート メタルの展開/再折り曲げの際にコピーされたジオメトリ
  • IFeature が配置されているジオメトリ

[挿入点]

ブロックは挿入点を使用して作成されます。この点は既定ではブロック ジオメトリの図心ですが、別の点を選択することもできます。スケッチ ブロック インスタンスが配置される際は、その前に挿入点によってマウス ポインタがブロックに接続されます。挿入点は表示/非表示を選択できます。

スケッチ ブロックの名前と説明

ブロックは名前と説明を使用して作成されます。独自の名前や説明を定義したり、既定値を使用することができます。ブロックの名前は、ブラウザの Blocks フォルダに表示されます。この名前は、そのインスタンスがブラウザに配置される場所ならどこでも、コロンとインスタンス番号が最後に付いて表示されます。たとえば、CYLINDER というブロックを定義して、そのブロックを Sketch2 に配置した場合、Sketch2 のインスタンスは CYLINDER:1 と呼ばれます。

スケッチ ブロック定義およびインスタンスの名前を変更できます。ブロック定義の名前を変更すると、新しい名前がインスタンス 名を介して伝播されます。ただし、インスタンス名の変更はブロック定義名の変更よりも優先されます。

ネストされたブロックとフレキシブル インスタンス

スケッチ ジオメトリの代わりに、またはスケッチ ジオメトリに加えて、ブロック インスタンスを選択する場合は、ネストされたブロックを作成します。

ネストされたスケッチ ブロック を定義し、それらのブロックのフレキシブル インスタンスを配置して、運動学的なサブアセンブリをシミュレートできます。油圧シリンダの例では、油圧シリンダを表すネストされたストレッチ ブロックを定義します。アセンブリ レイアウト スケッチで、ネストされたスケッチ ブロックのフレキシブル インスタンスを配置します。これらのフレキシブル インスタンスは、指定された自由度を保持するため、実際の油圧シリンダの運動学をシミュレーションすることができます。この機能を使用して、設計の運動学を調べます。

各ブロック間の拘束を追加したり、変更する場合は、ネストされたブロック定義を編集します。

スケッチ ブロックのフォーマット

他のスケッチ ジオメトリと同様に、スケッチ ブロックの外観を変えることができます。[ジオメトリのプロパティ]を使用してブロックのフォーマットを作成し、設計をわかりやすくします。さまざまなカスタム フォーマットをジオメトリに適用する際には、以下の点を考慮してください。

スケッチ ブロックへの編集

スケッチ ブロック定義は、コンテキスト内またはコンテキスト外で編集できます。コンテキスト内で編集する場合は、その他のアクティブなスケッチ ジオメトリをブロック定義に追加できます。スケッチ ブロック定義をどの方法で編集するかに関係なく、その変更内容はブロックのすべてのインスタンスに反映されます。

注: スケッチ ブロック インスタンスは、ブロック定義と無関係に編集することはできません。ただし、現在のブロック定義を使用してブロック インスタンスを配置してから、それを固有のインスタンスにすることができます。インスタンスを配置したら、そのインスタンスを分解し、構成要素の編集を行い、[ブロックを作成]を使用して定義を作成します。

スケッチ ブロックへのコンテキスト内での編集

コンテキスト内での編集では、スケッチでの作業中にスケッチ ブロック定義のインスタンスを編集します。アクティブなスケッチ内に表示されるすべてのジオメトリを、ブロック定義に追加することができます。ブロック定義に現存しないジオメトリは、ブロック ジオメトリと比べてわずかに淡く表示されます。

スケッチ ブロックへのコンテキスト外での編集

コンテキスト外での編集では、ブロック定義ブラウザ ノードを使用してスケッチ ブロック定義を単独で編集します。コンテキスト外であるため、いかなるスケッチに関しても、その他のスケッチ ジオメトリは編集できません。ブロック定義に含まれるジオメトリを変更するか、新しいジオメトリを作成できます。

スケッチ ブロックを分解する

ブロック インスタンスを削除する際に、インスタンスを構成するオブジェクトを保持するには、 [分解]コマンドを使用します。ネストされていないブロック インスタンスの場合、[分解]コマンドによってブロック インスタンスは削除され、構成要素の 2D ジオメトリは残されます。ネストされたブロック インスタンスの場合、インスタンスは削除されますが、構成要素のブロックや 2D ジオメトリはスケッチに残ります。

スケッチ ブロックのチュートリアル