AutoCAD ジオメトリの使用

Autodesk Inventor LT で[開く]を使用すると、2D および 3D の AutoCAD DWG(.dwg)ファイルを直接開き、同ファイルの内容の表示、印刷、計測を実行できます。AutoCAD オブジェクトは Autodesk Inventor LT でも AutoCAD オブジェクトのままであり、AutoCAD の場合とまったく同じように表示されます。さらに、AutoCAD のすべての 2D データをコピーと貼り付けの対象として選択することができます。Autodesk Inventor LT で 2D の AutoCAD DWG ファイルを開いてから、AutoCAD の図形をコピーして Autodesk Inventor LT のスケッチに貼り付けます。

注: AutoCAD ブロックは、Inventor のスケッチ ブロックとして .ipt ファイルにインポートするか、ブロックとして .dwg ファイルにインポートできます。

ペーパー空間とモデル空間

モデル空間では、データは AutoCAD とまったく同じように表示されます。Autodesk Inventor LT ではモデル空間は読み取り専用の環境であり、ブラウザからアクセスします。背景色を変更したり、回転などの表示機能をすべて実行できます。コピー/貼り付けや計測コマンドの操作対象として、モデル空間でオブジェクトを選択できます。

Autodesk Inventor LT では、ペーパー空間のレイアウトはシートとして表示されます。AutoCAD データを表示、印刷、計測したり、削除やコピー/貼り付けの対象として選択できます。Autodesk Inventor LT の図面コマンドはすべて、シートおよびレイアウト内で実行できます。AutoCAD で作成されたレイアウトにビューを配置したり注記を作成できます。また、Autodesk Inventor LT データは AutoCAD データと共存しています。

共有オブジェクト

Autodesk Inventor LT の図面データと AutoCAD のデータを同じファイルに共存させることができ、一部のデータは両方のアプリケーションで共有されます。ブロック、画層、シート/レイアウトは AutoCAD と Autodesk Inventor LT の両方で編集可能です。寸法スタイルと文字スタイルは同じではありませんが同期しているため、サポートされている変更がどちらかのアプリケーションで行われると、もう一方のアプリケーションにも反映されます。

Autodesk Inventor LT で DWG を開いたり保存する理由

DWG の相互運用性は柔軟性が高く、さまざまな方法で使用可能です。ワークフローの例を次に示します。

AutoCAD データは Autodesk Inventor LT 図面(.dwg)ファイルではどのようになるのか

AutoCAD と Autodesk Inventor LT では、同じ .dwg ファイルにそれぞれ独自のオブジェクトが作成されます。たとえば、AutoCAD で Autodesk Inventor LT Drawing (*.dwg)を開きます。いずれかのシート上に AutoCAD ジオメトリ(たとえば、線分、円弧、円)をいくつか作成して、ファイルを保存します。Autodesk Inventor LT でこのファイルを開くと、AutoCAD で表示されたようにジオメトリが表示されます。

画層、ブロック、スタイル、線種、シート名、シート サイズなどの特定のオブジェクトは、どちらのアプリケーションでも編集できます。たとえば、画層を編集したり、Autodesk Inventor LT の線種を AutoCAD の線種に変更できます。Autodesk Inventor LT で再び開いた場合、Autodesk Inventor LT の画層で AutoCAD の線種が引き続き使用されます。

AutoCAD のブロックは、AutoCAD と Autodesk Inventor LT で同じです。Autodesk Inventor LT でのブロックの表示は、AutoCAD での表示とまったく同じです。AutoCAD と Autodesk Inventor LT のどちらでもブロックを配置できますが、Autodesk Inventor 図面ファイルでブロック定義を作成したり編集することはできません。

Autodesk Inventor LT データは AutoCAD でどのようになるのか

DWG ファイルに Autodesk Inventor LT データを作成した場合、そのデータは Autodesk Inventor LT データとして保存されます。Autodesk Inventor LT のデータは AutoCAD と Autodesk Inventor LT で同じです。Autodesk Inventor LT データを AutoCAD で表示、印刷、計測することや、分解または削除することができます。

Autodesk Inventor LT の図面データを再利用できるよう、Autodesk Inventor LT ではファイル内の図面ビューとスケッチごとにブロック定義が作成されます。Autodesk Inventor LT で図面ビューとスケッチが変更されると、これらのブロック定義が更新されます。ブロックを配置するには、INSERT[ブロック挿入]コマンドや DesignCenter などの AutoCAD の標準コマンドを使用します。たとえば、AutoCAD DesignCenter を使用してその他の図面にこのようなブロックをコピーしたり、モデル空間にブロックを挿入して別の図面から参照(XREF)可能にすることができます。

Autodesk Inventor LT データは Autodesk Inventor LT 図面(.dwg)ファイルではどのようになるのか

パーツ ファイルのベース ビューまたは投影ビューを Autodesk Inventor 図面ファイル(.DWG)に配置して、ファイルを保存すると、ビュー ブロックが作成されます。ビュー ブロックは、図面リソースの下の AutoCAD ブロック フォルダのブラウザ内に表示されます。

ビュー ブロックの既定の挿入点は、[アプリケーション オプション]ダイアログ ボックスの[図面]タブにある[視点挿入点]の設定でコントロールします。ビュー ブロックがインスタンス化されていない場合は、ビュー ブロックの作成後に挿入点を変更できます。

ビュー ブロックの挿入点は、作成後に変更することができます。ファイルのコンシューマである AutoCAD ユーザは、Autodesk Inventor を開く必要なしに、AutoCAD でビューブ ロックを管理することができます。

Autodesk Inventor LT で DWG テンプレート内の AutoCAD データはどのようになるのか

DWG テンプレートから図面を作成した場合、ブロック インスタンス以外のすべての AutoCAD グラフィックス データが除去されます。ブロック インスタンスはすべて、テンプレート内の(モデル空間を除く)シート上に残ります。AutoCAD の表題欄や図面枠をシートに配置して、Autodesk Inventor LT で使用することができます。その他の AutoCAD データをテンプレートに配置するには、データをブロック内に置きます。テンプレート内の AutoCAD の非グラフィカル データ(画層、寸法、文字スタイル、ブロック定義など)は変更されません。

サポートされているワークフロー

次に、DWG の相互運用性によって可能となるワークフローの例を示します。これらは、「AutoCAD ジオメトリを使用する」で説明されています。AutoCAD と Autodesk Inventor LT の標準コマンドについての説明はこのセクションにはありません。表示、印刷、計測のワークフローの詳細については、AutoCAD および Autodesk Inventor LT のヘルプを参照してください。

Autodesk Inventor LT で .dwg テンプレート ファイルを作成する詳しい手順を示す追加のワークフローは、「図面テンプレートを作成する」で説明されています。

注: AutoCAD 2007 以前のファイルで Autodesk Inventor LT 図面ファイル(*.dwg)に対して RECOVER[修復]コマンドを実行すると、ファイルから Autodesk Inventor LT データが除去されます。このデータ除去が原因で、ファイルが一部のアプリケーション(たとえば、Windows エクスプローラ)に Autodesk Inventor LT DWG ファイルとして認識されなくなってしまうことがあります。データを復元するには、ファイルを Autodesk Inventor LT で開いて保存してください。