反りインジケータ、配向差結果では、配向差に起因する面外変形が、指定された最大基準変位量(NMD)に近い、またはこの値を超えている成形品内の領域が強調表示されます。
反りが発生する 3 つの要因の 1 つは、材料の配向方向に平行方向と垂直方向での収縮差です。
このプロットに表示される色は、次の評価基準に基づいています。
色(評価) | 説明 |
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緑色(小) | 面外変位量は、指定された NMD の 80% 未満。反りに対する配向の影響は低い。 |
黄色(中) | 面外変位量は、指定された NMD の 80%~120%。反りに対する配向の影響は高い。この領域における配向の影響の低減対策の検討が必要。 |
赤色(大) | 面外変位量は、指定された NMD の 120% を超えてる。配向の影響が反りの主要な要因であるため、修正処置が必要。 |
配向は、材料のせん断と固化の影響の組み合わせによって発生します。下図に示すように、このタイプの収縮では、収縮差による反りと同様の反りが発生することがあります。
下図(a)は、平行収縮が垂直収縮より大きい場合に発生する反りを示しています。下図(b)は、垂直収縮より平行収縮が大きい場合に発生する反り(半球形の反りと呼ばれる)を示しています。
成形条件(金型温度、樹脂温度、射出速度など)を変更することによって、配向を低減できる可能性があります。これは、成形品または金型を変更する必要がないため、最も費用がかからない方法です。
成形条件を変更することを選択した場合は、冷却品質、充填、充填+保圧、および 反り解析のすべてを再実行する必要があります。
成形条件を変更しても配向の影響を十分に低減できない場合は、ゲート タイプまたはゲート位置、または成形品の肉厚を変更できます。ゲートに対する変更には、端部のゲート、ファン ゲート、または多点ゲートの使用が含まれます。金型が作成前である場合は、これらの方法は単純な成形品の形状を大幅に変更しなくても実行できます。ゲート位置を変更しても成形品の設計仕様は変更されないため、ゲート位置の変更は、複雑形状の成形品や肉厚変化の大きな成形品で試しやすい方法です。必要な変更をして、成形品の解析を再実行します。この操作は、許容できる配向レベルになるまで反復して実行します。
肉厚の変更により、成形品の配向差を低減することを選択した場合は、肉厚を変更し、変更後の成形品モデルを再び解析します。収縮差が許容レベルになるまで、この操作を繰り返し実行します。