突出可能温度への到達時間結果では、充填開始時から突出可能温度に到達するまでに必要な時間が示されます。
成形品が指定されたサイクル タイム終了時までに固化しない場合、予測固化時間が結果に表示されます。
Dual Domain 解析で表示される値は、局部的な肉厚の 100% が突出可能温度に到達するのに要する時間です。
3D 流動解析で表示される値は、成形品の内部から表面にいたるまでの局部的な肉厚全体で要する時間の最大値です。
この結果では、新たな高温の材料がキャビティに流入する保圧過程の変化が考慮されます。高温の材料が新たに充填されると、冷却時間(固化するまでの時間)が変化します。
成形品の固化は均一であることが理想的です。成形品の冷却時間が長い領域は、成形品の厚肉部であるか、充填または保圧解過程でせん断熱が発生している可能性があります。
成形品の厚肉部が原因で突出可能温度への到達時間が長い場合は、成形品の再設計を検討します。せん断熱が原因で時間が長い場合は、問題の修復は容易ではありません。せん断を低減すると、突出可能温度への到達時間が体積収縮および反りに悪影響を与える場合があります。
また、突出可能温度への到達時間結果を冷却時間変化結果と組み合わせて、不均一な冷却を診断できます。
成形品全体の結果値が高い場合は、金型温度および樹脂温度を低減するなど、サイクル時間を短縮するための対策が必要となります。
この結果は、成形品の詳細な冷却解析を実行するために、冷却レイアウトを設計する際に活用できます。その後、突出可能温度への到達時間結果で推奨される修正措置を確認します。