突出時の体積収縮結果

突出時の体積収縮結果では、各領域の体積収縮が元の成形体積に対する比率として示されます。

突出時の体積収縮とは、冷却過程完了時から成形品が基準の雰囲気温度(既定値は 25℃)に冷却されるまでの局部的な体積の減少です。
注: 保圧過程には、保圧時間および冷却(保持)時間が含まれます。

この結果の使用法

突出時の体積収縮結果の解釈を容易にするために、[ノードの平均化] 表示オプションを非選択にすることをお勧めします。結果名を右クリックして[プロパティ]を選択し、[オプション設定]タブを選択して、[ノードの平均化]の選択を解除します。

モデル上のヒケを検出するために、この結果を使用できます。高い収縮率は、ヒケや成形品内部のボイド発生の可能性を示します。

反りを軽減するためには、体積収縮が成形品全体で均一であることが必要です。

注: 熱可塑性材料では、体積収縮はその材料の最大測定値より小さい値でなければなりません。材料の収縮情報は熱可塑性樹脂データベースで参照できます。スタディ タスク ペインで材料を右クリックし、[詳細]を選択します。[熱可塑性樹脂]ダイアログ ボックスが表示されます。[収縮特性]タブを選択します。測定済みの最大収縮値を[測定済みの収縮率]セクションで確認できます。

体積収縮は、保圧プロファイルを使用してコントロールできます。

確認事項

突出時の体積収縮結果の参照時には、次の点について確認します。
  • 局部領域の収縮が大きい場合、冷却した成形品の内部にボイドやヒケが発生することがある。
  • 収縮率は成形品全体で均一である。これは、材料を均一に保圧するために重要。これにより、強度的および外観的に完成度の高い成形品を作成できる。保圧プロファイルの設定で、収縮をより均一にする。
  • 収縮ではなく膨張を示す負の体積値。リブで負の収縮が発生している場合、突出の問題が発生することがある。
  • 次の点に注意して、値が材料の期待値の範囲内にあることを確認する。
    • 等方性収縮材料の場合、線形収縮は体積収縮の約 1/3。

      成形材料の肉厚、流動、および横方向の線形収縮は、材料の緩和と配向効果に依存する。

    • シェル状の形状の場合、肉厚方向の収縮は成形品の面内収縮よりも大きい必要がある。肉厚方向の収縮は体積収縮の 3 分の 1 を上回り、面内収縮は体積収縮の 3 分の 1 未満になる可能性が高くなる。金型形状の多くは、面内収縮を拘束する作用がある。繊維充填材料を使用している場合は、成形品平面の繊維配向によってその方向の収縮が制限される。肉厚方向の収縮に対する拘束条件は比較的少なくなる。