適切な圧力制御点を選択するには、一般的な規則に従う必要があります。
コネクタ部品などの小規模な薄肉成形品では、キャビティの充填を速く行うために、成形作業者が成形品の容量全体が充填される直前または直後に、ラム変位制御を使用して圧力制御への切り替えをするように成形機を設定することがあります。これにより、急激な圧力上昇が発生することがありますが、成形機の型締力上限値までの余裕がある場合には、成形作業者は、高い金型内圧の発生に注意を払っていません。
大型のごみ箱など大規模な厚肉成形品の成形では、許容型締力が重要な要素となる場合があります。成形作業者が、成形品を完全に充填できないと分かる射出時間(ラム前進速度)を設定したとします。金型が部分的に充填されると、成形品のバリを防止するために、圧力制御への切り替えができます。この場合に、ソフトウェア上では切り替え点を充填完了直後に設定すると、解析での圧力と型締力の計算が妥当な値にならない場合があります。これは、成形作業者が成形機に設定した成形条件が、ソフトウエア上では実行できないためです。
切り替え点の選択は、計算された射出ノードの圧力値および型締力の予測に影響を与えます。これらが重要である場合は、射出成形機の実際の動作をより正確に表すために、解析の設定を現実的にする必要があります。成形技能者の実際の射出成形条件設定を考慮して、ソルバーの設定を行います。