伸張率(3D)結果は、3D 充填および半導体封止成形、および圧縮タイプ成形プロセス解析で生成されます。この結果は、結果が書き込まれた時点におけるキャビティ内の伸張率を示します。
注: 圧縮タイプ成形プロセスでは、この結果は既定の設定として変形メッシュ上にプロットして表示されます。この既定の設定では、タイム ステップをクリックして、樹脂が成形品の形状に圧縮されていく様子を確認できます。この設定をオフにして成形品の結果のみを表示するには結果を右クリックし、[プロパティ]を選択し、[変形後メッシュに表示]をオフにします。
この結果の使用法
伸張率は、成形品の肉厚が変化する部分を、樹脂が通過するときの樹脂の伸長量を表します。一般に、最も高い伸張率が見られるのは、流量が多く肉厚変化の大きなゲート領域です。流動方向の肉厚の減少 (流路の縮小) による縮流が、樹脂に正の伸張を発生させます。このような伸張はゲートの入口で発生します。反対に、負の伸張 (流動方向の圧縮) は、拡張された (肉厚の増加) 部分を樹脂が通過する際に発生します。このような拡張は狭いゲートがキャビティの厚肉部分に接続する場合などに見られます。繊維充填材料の場合、強い伸張流動の領域では強い配向となります。
この伸張率結果を使用して、流動に著しい伸張変形が発生しているのかを調べることができます。これは、ゲート部における追加の圧力降下 (入口の圧力降下) が発生していることを意味します。伸張率結果は、四面体要素でのみ生成されます。ビーム要素では生成されません。
伸張率は、肉厚が均一な成形品ではゼロになります。伸張率は、材料が成形品の縮流部分を流動するときは正の値となり、材料が成形品の拡張部分を流動するときは負の値となります。
ヒント: 伸張率を表示するには、切断平面を使用します。
確認事項
- 伸張率が 200 以下であれば許容可能な値。伸張率が 200 より高い場合は、伸張粘度により成形品の充填に必要な射出圧力が大幅に増大する可能性があるため、伸張粘度の影響を考慮する必要がある。選択材料にジャンクチャー ロス係数データがある場合、伸張粘度を考慮できる ([プロセス設定] → [アドバンスオプション] → [成形材料] → [編集] → [レオロジープロパテイ] → [伸長粘度] にチェック)。
- 流動末端または薄肉部分で局所的に肉厚を増加することで、伸張率の低減が可能。
- 伸張率は流体力学と形状に関連している。射出成形では、伸張率は流量と形状への依存性が高くなる。材料特性は伸張率に影響を与えることがあるが、これに依存するわけではない。実際には、伸張率が粘度に影響を与える。
注: モデルおよび材料の変更は、ライセンスのある Autodesk Simulation Moldflow Adviser または Autodesk Simulation Moldflow Insight 製品を使用した場合にのみ実行可能です。