壁面せん断応力結果

壁面せん断応力は、結果を記録した時点おける、樹脂の固化層/溶融層の境界面のせん断応力を示します。

この結果は、充填時に既定で作成される 20 個の結果による中間結果であり、材料データベースが提供するガイドラインに関連します。

壁面せん断応力結果は Midplane または Dual Domain 充填解析で生成されます。

この結果の使用法

せん断応力は成形品の実際の残留応力ではありませんが、これに関連しています。せん断応力は固化層に隣接する樹脂の配向度に影響するファクターの指標です。配向された材料は配向されていない材料より収縮しやすいため、肉厚中心付近と比較して、樹脂の端部付近の配向が大きいと、残留応力が大きくなります。残留応力が大きいと、突出時や使用時に成形品に応力亀裂が発生することがあります。

壁面せん断応力は、固化層/溶融層の境界面の単位面積当りのせん断力であり、各位置における圧力勾配に比例します (樹脂断面が完全に溶融状態である場合、固化層/溶融層の境界面は金型壁面 (金型表面) になります)。粘性流計算式では、せん断応力は断面の中心では 0 であり、固化層/溶融層の境界面に向かって線形に増加します。したがって、壁面せん断応力はあらゆる断面における最大値です。

せん断応力は、材料データベースに表示されているその材料の最大せん断応力値より小さくなければなりません。せん断応力は、材料データベースの値と直接比較できます。この上限を超える領域では、突出時や使用時に応力亀裂が発生しやすくなります。

注: 熱硬化性材料については、材料データベースには最大せん断応力値は表示されていません。

せん断応力はまた、間接的に、分子または繊維の配向度を表します。せん断応力が大きいと配向が大きくなります。成形品の表面付近では特に顕著です。より正確な繊維配向予測は繊維配向解析で取得できます。

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