ヒケ指標結果は、ホット スポット(熱溜まり)が原因で収縮が発生する可能性を示します。
ヒケ指標は、保圧段階で局部的な圧力がゼロに低下した時点で要素ごとに計算され、まだ溶融した状態で保圧されていない材料の量を反映します。ヒケ指標結果の値が高い場合は、収縮が発生する可能性が高いことを示します。ただし、収縮によって実際にヒケが発生するかどうかは、形状の特性に左右されます。
生成されたヒケ指標結果は、成形品上でヒケ(およびボイド)の存在する可能性と位置を示します。
ヒケ指標結果は、発生するヒケの深さの重大度を表しています。これには、材料、成形品の形状、射出位置からの相対位置、および金型充填条件が影響します。これらの条件を個別に変更することで、ヒケ発生要因を特定できます。一般に、リブの肉厚が主要な壁面部肉厚の 60% 以下の場合、重大なヒケが発生する可能性は低いと考えられます。
保圧過程および冷却過程で局部的な圧力がゼロに低下したとき、成形品のヒケ指標は次のように計算できます。
ヒケ指標式の項は、次のように解釈できます。
((溶融樹脂の理想的な質量) − (溶融樹脂の実際の質量))/(総肉厚の理想的な質量)
ここで、理想的な質量は材料プロパティの固体密度の値で決まり、実際の質量は pvT データで決まります。
ヒケ指標式の積分項は、レイヤーが固化した場所でのレイヤーの密度を加算します。その場所の圧力が高い場合は、算出した実際の総質量が理想的な保圧密度を上回る可能性があり、ヒケ指標は負の値になります。そのため、ヒケ指標が負の値になる場合は、成形品のその領域で過充填が発生していることになります。ヒケ指標が高い場合は、溶融樹脂の大部分が圧力ゼロまたは低圧力で固化している可能性があります。低い圧力で固化する体積が大きいほど、ヒケ指標は高い値を示し、ヒケが発生する可能性が高くなります。
設計基準に合うように、ヒケの削除または低減ができない場合は、ヒケを目立たなくすることができます。この方法としては、ヒケ発生箇所にシボ加工を施すなどの対策を取ります。