第 1 主方向のキャビティ内残留応力結果は、突出前の配向方向における応力が示されます。
この結果は、Midplane または Dual Domain 保圧解析で生成されます。
注: この結果は、解析の使用材料に残留歪収縮モデルを選択した場合は生成されません。指定した材料の材料特性データは[熱可塑性樹脂]ダイアログ ボックス(タブ)で確認します。
この結果の使用法
成形品の残留応力は、金型の充填または保圧時に生成されるせん断応力の結果として発生します。残留応力は、この流動誘起応力に加えて、突出時の成形品表面温度の違いが原因で、成形品の各領域が異なる速度で冷却されるために発生することもあります。これらの応力を最小化するには、均一な冷却が必要になります。
これらの残留応力は、成形品使用時における初期不良や、成形品の反りおよび歪みの発生原因となることがあります。
注: キャビティ内残留応力は保圧解析で計算され、突出前の成形品の応力を表します。突出後の成形品にかかる応力は、この残留応力と必ずしも同じではありません。この結果は、それ自体で使用するより、反り解析や応力解析(反りや Abaqus による構造解析など)の入力値として使用する方が適しています。
確認事項
プロット上の正の値は張力を表し、負の値は圧縮を表します。
- 成形品は金型内でまだ拘束状態にあるため、キャビティ内残留応力はほぼ常に正の値となる。成形品がキャビティ内にある間、金型によって材料の収縮が物理的に妨げられる。その結果、要素を本来の位置に引っ張る応力が発生する。しかし、成形品の突出後はこの応力がなくなるため、成形品が収縮することがある。
- 負の値は過充填が発生したことを示す。
成形品のどの部分が張力状態にあり、どの部分が圧縮状態にあるかをより正確に調べるには、反り応力結果を使用します。