非定常金型温度を評価する冷却解析

射出成形サイクル中、特に成形品と接触する箇所の金型温度は、平均温度よりもわずかに上昇または低下します。通常、金型は充填過程でより高温となり、加圧過程および冷却過程でより低温となります。非定常冷却解析では、金型温度の経時変化を確認できます。

3D 非定常冷却解析の実行時、冷却(FEM)ソルバーは成形品温度の完全な 3 次元非定常有限要素解析を行います。この解を金型への熱流束の計算に使用します。

冷却(FEM)
成形品からの熱流束を、金型内部の温度を計算する非定常有限要素 解析の境界条件として使用します。これにより、金型内部の各ノードにおける温度を計算でき、金型内の冷却管の配置、数、および操作条件を最適化できます。
注: 冷却(FEM)解析を実行するには、金型をモデリングする必要があります。モデリングは、サードパーティ CAD プログラムで実行してインポートするか、金型サーフェス ウィザードを使用して実行できます。

冷却(FEM)解析では、Dual Domain および 3D メッシュ タイプがサポートされています。Dual Domain 解析は、熱伝導ソルバーを使用して成形品内の温度分布を計算します。3D メッシュ タイプでは、次の 2 種類のソルバーから選択できます。

  • 熱伝導ソルバー : 高速なソルバーで、熱伝導のみを考慮する。このソルバーは、冷却 (BEM) と同様な結果をより短時間で提供する。
  • フロー ソルバー : このソルバーは、成形品全体の流動を解析し、このデータを金型温度分布の計算に使用した後、金型からの温度情報を取得し、成形品全体の流動を再計算する。結果が収束するまで、このプロセスを何度も繰り返す。このソルバーは、熱伝導ソルバーまたは冷却 (BEM) よりも低速だが、この結果を使用して、成形品から金型への熱流束に起因する、流動からのせん断発熱の影響を評価できる。
注: 冷却冷却(FEM)ソルバーの切り替えると、金型メッシュは削除され、その度に再生成する必要があります。