繊維配向テンソル結果

繊維配向テンソル結果は、射出成形プロセス終了時の配向テンソル(配向度)を示します。

この結果は繊維配向解析で生成されます。

この結果の使用法

Midplane および Dual Domain の繊維配向解析では、繊維配向解析の全過程のタイム ステップごとに、レイヤーに基づく繊維配向テンソルを計算します。3D 繊維配向解析では、ノードおよび要素の繊維配向テンソル結果が作成されます。このテンソルは対称なので、Midplane メッシュ モデルおよび Dual Domain メッシュ モデルでは各シェル要素のラミネートごと、3D メッシュ モデルでは各四面体要素のノードごとに、6 つの成分で表されます。

繊維配向テンソルの出力は、射出成形プロセス終了時の繊維配向テンソル結果を示します。

繊維配向テンソル結果は、指定した主方向にファイバーが整列する可能性を示します。指定した主方向にファイバーが整列する可能性が高いほど、結果スケールでは 1 に近い値で示されます。一方、可能性が低いほど、0 に近い値で示されます。第 1 主方向の繊維配向テンソルは、最も役立つ結果です。

注: ほとんどの場合、第 1 主方向は材料の流動方向にほぼ同一ですが、必ずしも流動方向と同一であるとは限りません。

繊維配向テンソルはグローバル座標系で表し、機械的特性および熱特性の計算のほか、キャビティ内の残留応力の計算にも使用します。

繊維配向テンソルの対角成分は、各方向の整列の強度を示します。対角成分値の範囲は 0~1 で、3 つの対角成分すべての合計は 1 です。繊維配向テンソルの非対角成分は、その座標軸からの整列の変化量を示し、座標軸が配向テンソルの主方向と同一の場合は 0 になります。

主方向は、それぞれの主要値の順番 (最大から最小まで) に番号付けられます。第 1 主方向は、大部分のファイバーが整列する方向を示し、第 3 主方向は、整列するファイバーが最も少ない方向を示します。主要値が大きいほど、対応する主方向の整列が強いことを示します。

重要: 3D 解析では、表示される既定の繊維配向テンソル結果はノード データに基づいています。ノード データを使用することで、成形品肉厚方向の繊維配向プロファイルの表示が改善されました。特に[XY プロットのプローブ]プロット タイプを使用した繊維配向テンソルの結果表示において、最も顕著な改善が見られます。6.2 以降のリリースでも要素データに基づく結果は生成できますが、既定では表示されません。これを表示するには、[新規プロット] [結果]タブ > [プロット]パネル > [新規プロット]をクリックし、利用可能な結果リストから[要素の繊維配向テンソル]を選択します。

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