Autodesk Simulation Moldflow Adviser 結果の使用

このタスクでは、Autodesk Simulation Moldflow Adviser の解析から利用できるいくつかの結果とサマリー情報に関して説明します。この例で使用する解析順序は、「冷却品質+充填+保圧+ヒケ+反り」です。

このタスクで使用するモデルは、phone cover (携帯電話カバー) です。Moldflow 結果ファイルには、2 つの解析順序からの結果が含まれています。1 番目のスタディには、最適位置 (成形品の中心) にあるゲートを使用した結果が含まれます。2 番目のスタディは、成形品の一方の端にあるゲートを使用した同じ解析結果を示しています。
ヒント: [信号]ツールを使用し、信号の色(赤色、黄色、緑色)を使用する充填確実性、冷却品質、および品質予測結果に関して、表示される結果範囲を制限できます。成形品の大部分が 1 つの色で表示され、小さな部分を確認するのが困難な場合に効果的です。モデルを右クリックして、コンテキスト メニューを開き、[信号]ツールを選択します。
反り結果は、「ベスト フィット」手法に基づいて、面外変位量が指定された最大基準変位量 (NMD) 値をどの位超えているかによって色分けされます。緑色は反りの量が低く、黄色は反りの量が高く、赤色は反りの量が著しく高いことを示します。この例では、どちらの結果もすべて緑色で、成形品全体において反りが少ないことを示しています。
反りインジケータ、全要因結果
反りインジケータ、全要因結果は、反りが発生する 3 つの要因、収縮差、冷却差、配向差を組み合わせた結果です。
反りインジケータ、収縮差結果
この結果は、成形品内の領域ごとの収縮差によって発生する反りを示します。収縮差は多くの場合、結晶含有量と体積収縮の変化により発生します。
ヒケ解析では、ヒケの深さ予測を確認し、成形品におけるヒケの発生状態を評価できます。
ヒケ予測結果
この結果はヒケの深さ予測を示します。
ヒケのシェーディング結果
この結果はヒケが成形品表面にどのように現れるかを示します。この結果を使用して外観不良の影響を評価します。
充填解析結果は充填過程で出力されます。
充填確実性結果
この結果は、一般的な射出成形条件の下で、キャビティ内の領域に樹脂が充填される可能性を示します。充填確実性結果は、圧力および温度の結果から計算されます。緑色の領域は充填が容易で、成形品の品質は許容可能になります。黄色の領域は成形が困難なキャビティ内の領域を示し、成形品の品質は低くなります。赤色の領域は成形が非常に困難なキャビティ内の領域を示し、成形品の品質は非常に低くなります。ショート ショットが発生する場合、充填されなかった領域は半透明として表示されます。
品質予測結果
この結果では、成形品の外観や機械的特性の品質を予測します。この結果も、圧力および温度の結果から算出されます。緑色、黄色、赤色は、それぞれ高品質、中程度の品質、低品質の領域を示します。
冷却品質解析では、冷却管は考慮されません。成形品は金属ブロック(金型)の中央にあり、一定時間その位置に保持されると仮定します。
冷却時間変化
この結果は、成形品の各領域の樹脂固化時間と成形品全体の平均固化時間との差を示します。冷却時間が平均時間より大幅に長い領域によって、全体のサイクル時間は決定されます。平均時間より大幅に早く冷却する領域は、反りや他の不良の発生原因になります。
冷却品質結果
冷却品質結果は、成形品の形状および肉厚が原因で熱が留まりやすい場所を示します。この結果は、冷却時間変化結果および温度変化結果から算出されます。
  1. (アプリケーション メニュー > [開く] > [プロジェクト])をクリックします。
  2. C:\Program Files\Autodesk\Simulation Moldflow Communicator 2014¥tutorial¥ にナビゲートし、ama_results_tutorial.mfr ファイルを開きます。
  3. [開く]をクリックします。 結果ファイルの最初の結果が表示されます。
  4. スタディ タスク ペインの各結果をクリックして、結果を確認します。
    注: [注記] > ペインを表示するには、( > [表示]タブ[ウィンドウ]パネル[ユーザー インターフェース])をクリックし、ドロップダウンメニューから[注記]を選択します。[プロットの注記]を選択して、各結果に関する注記を表示します。
  5. プロジェクト ファイルには、同一の成形品で異なる射出位置を使用する 2 つのスタディが含まれます。2 つのスタディの結果を同時に表示して比較できます。 ([結果]タブ > [結果]パネル > [比較])をクリックします。 各スタディの最初の結果が、もう一つの結果の上に表示されます。これらの表示は同期化し、同時に操作することができます。
  6. 各スタディの結果を表示して、成形品の中心にゲートを設置した場合と成形品の一方の端にゲートを設置した場合のわずかな違いを確認します。 成形品の一方の端にゲートを設置した方が、最大ヒケ深さ値がわずかに高くなりますが、全体的には両方の解析順序の結果は類似しています。
  7. スタディ タスク ペインで、[サマリー]を選択します。 [サマリー] 枠が表示されます。
  8. タブを選択して、各結果の [サマリー] を表示します。
詳細な解析ログは、Autodesk Simulation Moldflow Insight で生成されます。Autodesk Simulation Moldflow Adviser では、解析順序の各解析のサマリーが生成されます。これらには、解析設定情報、グラフ、ソルバー警告、さまざまな測定方法に関するサマリー情報が含まれます。たとえば、充填解析サマリーには、サイクル タイムの円グラフと次の情報が含まれます。
  • 解析時間
  • 実充填時間
  • 実射出圧力
  • 型締力面積
  • 充填中の最大型締力
  • 速度/圧力切り替え時の体積 %
  • 速度/圧力切り替え時間
  • 充填完了時の成形品総重量
  • 射出体積