ウェルド ラインとメルド ライン結果

ウェルド ラインとメルド ライン結果では、モデル上でウェルド ラインとメルド ラインが発生しやすい場所が示されます。

この結果は充填解析の終了時に生成されます。

ウェルド ラインおよびメルド ラインとは、成形品の充填中に、2 つ以上の流れが合流したときに発生する、構造的なぜい弱部分または外観上の不良となる部分です。ウェルド ラインまたはメルド ラインによって強度的な問題が発生したり、成形品に外観不良が発生することがあります。メルド ラインとウェルド ラインの定義における相違点は、会合角の違いだけです。

通常、メルド ラインは平行なフローによって形成されます。メルド ラインは、ウェルド ラインより強度が高く、目立ちません。メルド ラインの品質は、材料の種類、フィラーの種類と量、およびメルド ラインの圧力と温度に左右されます。

ウェルド ラインは小さい会合角で形成されます。ウェルド ラインによって強度低下や成形品の外観不良が発生します。そのため、ウェルド ラインおよびメルド ラインは、できるだけ防止する必要があります。しかし、穴の周辺でフロー フロントが分割して再合流する場合や複数のゲートがある場合などは、ウェルド ラインの発生を防止できません。成形条件およびウェルド ラインの位置を確認して、ウェルド ライン品質に問題がないかを判断します。強度や表面仕上げの美しさが必要な領域に、ウェルド ラインが発生しないようにします。

成形条件は、ウェルド ラインまたはメルド ラインの品質を判断するために役立ちます。ウェルドラインの強度は、ウェルド ラインが形成された温度と、成形品が固化するまでウェルドに加えられた圧力(圧力はウェルド ラインでゼロ)の影響を受けます。通常、適切なウェルド品質を得るには、ウェルド ライン形成時の樹脂温度が射出温度の 20 ℃ 以下にならないようにします。

この結果の使用法

ウェルド ラインとメルド ラインによって、強度低下や外観不良が発生することがあります。しかし、ウェルド ラインやメルド ラインによっては発生を防止できないものもあるので、成形条件やウェルド ラインの位置を確認して、これらのラインが品質的に問題がないかを判断する必要があります。

ウェルド ラインを移動するには、充填パターンを変更してフロー フロントが別の位置で合流するようにします。
  • ゲート位置の変更
  • 成形品肉厚の変更
ウェルド ライン品質の改善方法
  • 樹脂温度、射出速度、または保圧を増加する。これにより、フロー フロントを適切に合流できる。
  • ゲートおよびランナーの直径を増加して、成形品の保圧を容易にする。
  • 射出位置を移動し、ウェルド ラインをゲートにより近い位置に形成させる。これにより、ウェルド ラインはより高いフロー フロント温度で形成され、より高い圧力で保圧される。
  • 射出位置を移動して、フロー フロントがより大きな会合角で合流するようにして、ウェルド ラインをメルド ラインにする。
  • ウェルド ラインの領域にベントを設置する。これによりエアー トラップが除去され、ウェルド ラインがさらに目立たなくなる。
  • ランナー システム設計の最適化
  • 同じ流量を維持したままランナー寸法を細くして、せん断発熱を利用して、フロー フロントの樹脂温度を上げる。

ある問題を解決すると、射出成形プロセス上の別の問題を引き起こすことがよくあります。このため、金型設計仕様を総合的に考慮して対策を行なう必要があります。

確認事項

この結果で次の問題を特定できます。
強度的な問題
ウェルド ライン品質が低下すると、ウェルド ライン部分で成形品が破損または変形しやすくなります。この強度不足は、成形品の応力が加わる領域では問題になる。
外観不良
ウェルド ラインは、成形品の表面に線、ノッチ、または色のむらが発生する原因となる。成形品の底面など、外観面で重要ではない部分に発生するウェルド ラインであれば、問題にならない場合がある。
注: 上記のような変更は、ライセンスのある Autodesk Simulation Moldflow Adviser または Autodesk Simulation Moldflow Insight 製品を使用した場合にのみ実行可能です。