3D 冷却解析

3D 冷却ソルバーは、3 次元 (四面体) 成形品メッシュで冷却解析を実行します。

解析では、成形品温度に対する完全な 3 次元非定常有限要素解析を行い、金型への熱流束の計算に使用します。これらの要素熱流束は、金型の表面温度を計算する境界要素解析の境界条件として使用されます。

3D 冷却解析の動作

3 次元冷却解析は、解析中のすべてのタイム ステップで完全な時間依存解析を行います。解析では、樹脂冷却速度を含む、3D 充填+保圧解析用に設定する高精度の境界条件を判定します。この条件は、厚肉またはソリッド成形品では、領域間で金型温度に大きな差があることが多いため重要です。

完全な 3 次元成形品は本質的にソリッドであるため、成形品温度は樹脂温度であるという仮定は妥当です。成形品が薄肉である場合は、3D 冷却解析を実行する利点がありません。その場合、成形品を非常に細かくメッシュすることが必要となり、多数の四面体要素で構成されるソリッドな成形品であると認識されます。要素数が非常に多い場合は、充填、保圧、冷却の各解析が著しく長時間となりますが、Midplane または Dual Domein と比較して有効な計算結果が得られるわけではありません。

Midplane および Dual Domain との比較

3D 冷却ソルバーは、3D 解析中の金型の実際の表面温度を提供します。Midplane 冷却解析の実行時には、ソルバーは X および Y 方向の熱損失を計算しますが、Z 方向に関する予測はしません。Dual Domain 冷却解析の実行時には、ソルバーは Z 方向の熱損失を予測します。3D 冷却解析の実行時には、ソルバーは X、Y、Z 方向の熱損失を計算して、モデルの実際の冷却速度で完全に 3 次元の解析結果を提供します。

推奨する使用方法

3 D 冷却解析を 3D 充填+保圧解析の前に実行して、この解析結果を 3D 充填解析の温度または流束境界条件として使用することを推奨します。3 D 冷却解析の実行時には、成形品全体は樹脂温度と同じであると仮定されます。

冷却解析は、金型表面温度の領域間の差に関する情報を後続の充填および保圧解析に提供するため、充填+保圧解析結果の精度が上がります。これにより、特定の冷却回路設計での問題を検出できます。