ヒケ予測およびヒケのシェーディング結果

ヒケ予測およびヒケのシェーディング結果では、成形品のヒケのシミュレーション結果が表示されます。これらは同じ結果に対して、2 つの異なる表示方法による解釈を示すものです。

ヒケ予測結果では、成形品におけるヒケの深さの計算値が表示され、深さの違いの詳細が示されます。

ヒケのシェーディング結果では、下図に示すようにモデルにヒケが表示され、実際の成形品の外観が表現されます。



これらのヒケ結果では、裏面にある形状が原因で発生するヒケ およびボイドの存在と位置が示されます。通常、ヒケは成形品厚肉部、リブ、ボス、内部フィレットなどの反対面に発生します。これらの結果は、局所的な厚肉領域が原因で発生するヒケは表示しません。

この結果の使用法

ヒケは強度不良ではなく外観不良であるため、成形品外観の設計仕様に基づいて結果を評価する必要があります。表面に明るい色やテクスチャを使用して、ヒケが目立たないようにできます。

一般に、リブの肉厚が主要部の 60% 以下の場合、重大なヒケが発生する可能性は低いと考えられます。

ヒケの削除または低減ができない場合は、ヒケを目立たなくすることができます。この方法としては、ヒケ発生箇所にシボ加工を施すなどの対策を取ります。

確認事項

次のようなヒケの発生の改善方法があります。
  1. 成形品厚肉部の削除や、成形品表面と交差する厚肉部を薄くするなどのデザイン変更を行う。
  2. 問題領域またはその付近にゲートを移動する。これにより、ゲートと問題領域間にある薄肉部が固化する前に、十分な保圧を加えることが可能となる。
  3. ゲートとランナー寸法を大きくしてゲートの固化時間を延長して、より多くの樹脂をキャビィティに充填する。
  4. 樹脂温度と金型温度を下げる。または、より粘性の低い樹脂を使用する。