半導体封止成形解析タイプ

半導体封止成形解析には、いくつかの異なるタイプがあります。

プリ コンディショニング解析では、エポキシ モールディング コンパウンド(EMC)プリフォーム(タブレット)がポットに配置され、金型に転送される前の硬化度分布と温度を計算します。通常、トランスファー ポットの温度は、予熱したプリフォーム (タブレット) よりも高く、ポット内にあるプリフォームの温度および硬化度は変化します。プリ コンディショニング解析は、プリフォームの平均温度と硬化度を計算して、後続の充填および硬化解析にデータを渡します。また、プリ コンディショニング解析を実行するデータがない場合は、この解析を省略することができます。

金型充填および硬化解析はリアクティブ成形で実行されます。

ワイヤー スイープ解析は、チップをリードフレームに接続するボンディング ワイヤーの封止過程で発生する変形を計算します。この計算により、封止でのワイヤー スイープの発生を防止するために、金型設計および成形条件を改善することができます。ワイヤー変形は、Warp モジュールを使用した Autodesk Simulation Moldflow Insight 内部での計算、または Abaqus を使用した外部での計算ができます。
ヒント: この設定は、半導体封止成形解析の[ソルバー パラメータ]の[ワイヤー スイープ/パドル シフト シミュレーションの実行]オプションで指定できます。

3D 半導体封止成形は、ワイヤー スイープ詳細解析もサポートしており、流体流動のワイヤーへの影響だけではなく、ワイヤーの流体流動への影響も解析できます。3D チップ キャビティ モデルには、ワイヤーのみならず、ワイヤー キャビティも必要となります。ワイヤー スイープ詳細解析は、通常のワイヤー スイープ解析よりも所要時間が長くなりますが、変形の解析の精度は高くなります。

パドル シフト解析では、リードフレームで分離される 2 つのサブ キャビティ間の圧力差に起因するパドルの変形を計算します。半導体封止成形では、キャビティ内の圧力を計算します。キャビティ内の圧力差に起因するリードフレームの変形は、Warp モジュールを使用した Autodesk Simulation Moldflow Insight 内部での計算、または Abaqus を使用した外部での計算ができます。
ヒント: この設定は、半導体封止成形解析の[ソルバー パラメータ]の[ワイヤー スイープ/パドル シフト シミュレーションの実行]オプションで指定できます。

3D 半導体封止成形は、ダイナミック パドル シフト シミュレーションもサポートしており、充填中のパドル シフトは数回にわたり再計算されます。この解析では、大きな変形が発生したときに、最終パドル シフトのより高精度の予測ができます。ダイナミック パドル シフト解析には、圧力計算中にコアシフト解析を実行するオプションが含まれています。これは、パドルが 3D 要素を使用してモデリングされた場合に有効です。しかし、パドルがシェル要素を使用してモデリングされた場合には、追加のコアシフト解析は実行できません。