解析のスケジュール

解析をライブではなく、時間を置いて実行するようにスケジュールできます。たとえば、日中作成した複数のモデルを夜間に実行するようスケジュールできます。基本的な手順は、次のとおりです。

  1. モデルを作成して、荷重および拘束を適用します。通常行う操作を実行して、[解析]ボタンをクリックします。([モデルをチェック]を実行する必要はありません。CAD モデルでは、ソリッド メッシュが生成された後、解析ウィンドウが表示されます。)
    ヒント: 一部のモデルに関しては、設定時にいくつかダミー ファイルを作成する必要があります。たとえば、温度は定常熱伝導解析から線形応力解析へと読み込み可能ですが、応力解析の設定を終えるためには温度結果ファイル(DS.TO)が必要です。熱解析が実行されていない場合(スケジュール解析の一部である場合など)は、空のテキスト ファイル DS.TO を熱解析の設計シナリオ フォルダに作成します。その後、このダミー ファイルを応力解析の設定に使用します。熱解析が最初に実行された場合は、ダミー ファイルは計算結果で上書きされます。これらの計算結果は応力解析の実行時に読み込まれます。
  2. [解析][解析][シミュレーションを実行]を使用して、解析ウィンドウにアクセスします。
    注: 解析をスケジュールするには、[自動解析]を非アクティブにしなければなりません。 オプション [解析]タブをクリックして、[自動解析]ボタンの選択を解除します。
  3. [スケジュール]ボタンをクリックして、オプションを入力します(以下のセクションで説明します)。
  4. スケジュール設定を行うその他のモデルについても、この手順を繰り返します。
  5. 各解析が、それぞれの開始時におけるモデルの状態に応じて、スケジュールされた時刻で開始されます。解析のスケジュールされた時刻と開始時刻との間にモデルに対して行われた変更は、(保存されている場合には)すべてその解析の対象となります。

解析のスケジュール:

解析ウィンドウ([解析][解析][シミュレーションを実行])の[スケジュール]ボタンをクリックすると、[解析のスケジュール]ダイアログが表示されます。このダイアログは、解析を実行する時刻などのパラメータを設定するものです。

  • [開始日]解析を開始する日付を設定します。
  • [開始時刻]解析を開始する時刻を設定します。実行時刻が重複する場合には、異なるファイルを同時に解析できます。 解析が連続して実行されることはありません。(以下を参照してください。)ただし、同一ファイル内にある複数の設計シナリオは連続して実行されます。このことによって、連続解析がどのように設定されるかが決まります。たとえば、静的応力解析では熱伝導解析の結果が使用されます。このため、熱伝導解析を最初に実行する必要があります。これら 2 つの解析が同一ファイル内の異なる設計シナリオとして設定される場合、(熱伝導解析で開始される)両方の設計シナリオが解析されるように指定するだけです。この場合、静的応力解析は熱伝導解析が完了したときにのみ開始されます。これらの解析が異なるファイル内にある場合、静的応力解析は、熱伝導解析が確実に終了してから開始されるようにする必要があります。
  • [設計シナリオ]解析する設計シナリオを選択します。
    • [現在]モデルの最終保存時にロードされた設計シナリオ。
    • [すべて]モデル内のすべての設計シナリオを(最初のシナリオから最後のシナリオの順で)解析します。
    • [設計シナリオ]解析するシナリオを指定します。各シナリオはカンマ区切りで指定できます。特定範囲のシナリオを指定する場合は、最初のシナリオと最後のシナリオとの間をハイフン(-)で区切ります。たとえば、1,3,5-12 と入力すると、設計シナリオ 1、3 の後に 5 から 12 が解析されます。
  • [コメント]解析に関するコメントを入力します(任意)。 コメントは[解析][解析][バッチ解析]で表示されます。
  • [ユーザ名]コンピュータへのログインに使用するユーザ名を入力します。解析を実行するためには、コンピュータにはこのフィールドで指定したユーザでログインしなければなりません。
  • [パスワード]コンピュータへのログイン パスワードを入力するか、ログインにパスワードが不要な場合は空白のままにします。

現在スケジュールされている解析を確認するには、[解析][解析][バッチ解析]コマンドを使用します。このダイアログから、スケジュールされたタスクを削除または編集できます。行を選択して、右クリックして、オプションを選択してください。[編集]オプションでは、Windows スケジュール タスクが使用されます。詳細については、Windows マニュアルを参照してください。(Windows スケジュール タスクが使用される場合でも、バッチ解析は Windows タスクにリストされません。)

スケジュールされた時刻になると、ユーザによってユーザ インタフェースから開始されるように、解析が正確に開始されます。警告、特にチェック モデル フェーズでのジオメトリ警告が発生した場合は、警告を確認するまで処理が停止します。解析が実行されている間は、解析ウィンドウが表示されます。このウィンドウはライブ解析のように、ログ ファイルの確認、解析の停止などに使用します。例外として、[結果]環境で結果を監視することはできません。

連続解析:

(1 つのファイルに複数の設計シナリオがある場合を除き、)バッチ解析が連続で実行されることはありませんが、ユーザは解析を連続で実行するバッチ ファイルを作成することができます。この機能は、algor.exe プログラムによって実現します。このプログラムは、バッチ解析で使用されるものと同じプログラムであるため、バッチ モードで一連の解析を実行する場合にも上記の同じ基本手順が適用されます。

バッチ モードで一連の解析を実行する手順は次のとおりです。

  1. Windows エクスプローラまたはマイ コンピュータによって、任意フォルダに新規のバッチ ファイル(テキスト ファイル)を作成します。バッチ ファイルの拡張子は .bat とします。
  2. バッチ ファイルを編集します(ファイルを右クリックして、[編集]を選択)。
  3. 最初に解析するモデルのバッチ ファイルに行を追加します。構文は次のとおりです。

    “drive:¥path to Autodesk Simulation¥algor.exe -s list drive:¥path to model¥model name.fem”

    ここで

    • drive:¥path to Autodesk Simulation¥ は、Autodesk Simulation ソフトウェアの格納場所を示す絶対パスです。(PATH 環境変数に含まれている場合、このパスを示す必要はありません。)
    • algor.exe は解析を実行するプログラムです。パスにスペースが含まれる場合、パスおよび algor.exe はクォーテーション マーク () で囲む必要があります。
    • -s リストは解析する設計シナリオのリストです。リストは以下のいずれかとなります。
      • [すべて]ファイル内のすべてのシナリオを連続処理します。このオプションは単独で使用しなければなりません。
      • [アクティブ]ファイル内のアクティブな(ロードされた)シナリオを処理します。このオプションは単独で使用しなければなりません。
      • m,n,r-t、カンマで区切られた各シナリオの連続処理(シナリオ m、n など)、およびハイフンで区切られた特定範囲のシナリオの連続処理(シナリオ r から t)、あるいはいずれか一方が実行されます。設計シナリオを 2 回以上リストすることはできません。
    • drive:¥path to model¥ は、モデルへの絶対パスです。
    • モデル名.fem は、解析するモデルの名前です。これには拡張子 .fem が含まれます。パスおよびモデル名 .fem は、スペースが使用される場合にはクォーテーション マーク () で囲む必要があります。
  4. 追加で解析するファイルがある場合、それぞれのファイルについて上記の手順を繰り返します。
  5. バッチ ファイルを保存して、終了します。
  6. バッチ ファイルをダブルクリックして、解析を開始します。または、Windows スケジュール タスク(Windows の[スタート]メニュー[コントロール パネル][スケジュール タスク])を使用して、バッチ ファイルが特定の時刻に開始されるようにスケジュールします。

たとえば、このバッチ ファイルでは、モデル名付き括弧内の設計シナリオ 1 および 3 が解析さます。このモデルが完了すると、設計シナリオ 2 から 5 はモデル構造内で解析されます。この処理の後、モデル パイプ配管内のすべての設計シナリオが解析されます。

C:¥Program Files¥ALGOR¥21.00¥algor.exe -s 1,3 D:¥my FEA models¥job1¥bracket.fem

C:¥Program Files¥ALGOR¥21.00¥algor.exe -s 2-5 D:¥my FEA models¥job2¥structure.fem

C:¥Program Files¥ALGOR¥21.00¥algor.exe -s all D:¥my FEA models¥job2¥pipe run.fem