積分法

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このページの情報は、示される場合を除き、次の解析タイプに該当します。

非線形応力解析に使用できる積分方法として、3 つの方法が推奨されます。これらは[積分]タブの[解析のタイプが示唆する時間積分法]ドロップダウン ボックスで選択できます。 (注: MES はメカニカル イベント シミュレーションを、NLS は非線形静的、LS は線形静的を表します。)

[一般: MES, NLS]積分法

[一般: MES, NLS]積分法を使用する場合、[(MES)積分法のパラメータ]フィールドに値を指定する必要があります。有効な入力値は 0 および 1 です。既定値は 1 です。

  • 1 の値を指定すると、高周波振動とノイズが除外されるため、安定した解析結果が得られ、収束がより容易になります。
  • 0 の値を指定すると、より多くの高周波効果がキャプチャされます。これらの効果を考慮する場合もありますが、無関係な高周波振動(ノイズ)であることもあり、収束が困難となる可能性があります。
注: ここでの説明では、高周波数低周波数は、キャプチャ レートに基づいて定義されます。解析のキャプチャレートが構造物の振動周波数結果でサイクルごとに約 8 つ以上のデータ点を生成するのに十分である場合、積分パラメータ(0 または 1)は、解析結果にほとんど影響を及ぼしません。この場合、結果はキャプチャレートを基準として低周波効果であるとみなすことができるため除外されません。既定の積分パラメータ 1 を使用して、解析のキャプチャレートが振動サイクルごとに約 5 以下のデータ点を生成する場合、変形結果と応力結果が大幅に減衰(過剰減衰)します。この場合、周波振動数は、キャプチャレートを基準として高いとみなされ、高周波数効果は除外されます
ヒント: 結果に表示する予想高周波数効果がキャプチャされない場合は、積分パラメータを1 から 0 に変更するのではなく、まず、キャプチャレートを上げることをお勧めします。キャプチャレートは明らかに最適ではありません。適切な精度を得るには、構造物の振動サイクルごとに約 10 以上の結果のデータ点が必要となります。
ヒント: 落下試験を実行する場合は、通常、0 の積分パラメータは、1 のパラメータと比較して、衝突時間結果および衝撃速度結果の精度が高くなります。類似した自由物体運動(放物運動のシミュレーションなど)を含むその他の解析では、0 のパラメータを使用する場合、より正確に理論上の時間および速度結果に従う可能性が高くなります。

[静的: NLS, LS](従来の Newmark 積分法)

[静的: NLS, LS]積分法を使用する場合、[(LS)積分法の第 1 パラメータ]および[(LS)積分法の第 2 のパラメータ]フィールド値を指定する必要があります。これらのパラメータは次のとおり使用されます。

  • 条件安定性のために、次の要件があります:、ここで P2 は第 2 のパラメータ、P1 は最初のパラメータです。
  • P1 = 0.5 および P2 = 0.25 が使用されない場合、解析の精度が低下しますが、高周波イベントの安定性は向上します。たとえば、(0.5, 0.25)で壁に衝撃を与えるオブジェクトは、壁を貫通しませんが、非常に不安定になります。(0.7, 0.4)のような値を使用している場合、小規模なくい込み(精度の損失)が生じますが、跳ね返りは安定します。
  • 使用するパラメータ値はユーザの判断で選択します。テストでは、(0.60, 0.31)と(0.7,0.4)で望ましい結果が得られる場合が多いことが示されています。
  • 上記の考慮に基づき、これらのパラメータを上げることの効果を見定めることができます。すなわち、パラメータが高いほど、高周波数が除外されます。高周波で占められる問題では、パラメータを(0.5, 0.25)よりも大きくすることは妥当ではありません。高周波が重要であるかを決定する唯一の方法は、異なるパラメータの組み合わせで同じ問題を発生させ、結果がどのように変わるかを見きわめることです。

[静的 II: NLS] (Wilson-Theta 積分法)

[静的 II: NLS]オプション積分法を使用する場合、1.40 が[(LS)積分法第 1 パラメータ]値として使用されます。パラメータ値はユーザが指定することはできません。

この積分法では、次の時間ステップをちょうど超えたときの平衡バランスを「中心」にします。

ヒント: 時間積分法は静的とラベル付けされることがありますが、この積分法で使用される計算式は動的な状況においても適用されます。