前提: 2 つの同一の機構で構成されるフロントエンド ローダーのバケットがあります。各機構は、次の図に示すように 12 kN (フロントエンド ローダー全体では 24 kN)の荷重を支えています。活荷重と重力を解析に含めます。
調査対象: 初期設計の次の項目
![]() 図 1 |
初期設計後の段階であり、面内の効果のみを考慮するため、断面の形状はあまり重要ではありません。ここでは、長方形の断面のビーム要素を使用します。(解を発見した後は、必要に応じて、面積と断面係数が類似した別の形状に置き換えることができます)
最適化手順は次の基本ステップに従って実行します。
ジオメトリは、次の 2 つの方法のいずれかで、作成および入力できます。

[アーカイブ]
[取り込み])、「
パート 2
: 解析を実行する
」から続行します。 モデルは、曲げに抵抗する必要があるアーム部のビーム要素、および軸力のみを伝達するシリンダのトラス要素を使用して作成します。初期の断面を次に示します。
| リンク | パーツ番号 | サーフェス番号 | 要素タイプ | 初期の断面 | 材料 |
|---|---|---|---|---|---|
|
面外幅(b) x 面内高さ(h) |
|||||
| DEFG | 1 | 2 | ビーム | 24 x 250 mm | AISI 1005 Steel |
| バケット | 2 | 3 | ビーム |
小面積の剛体 |
AISI 1005 Steel |
| AB | 3 | 2 | ビーム | 14 x 150 mm | AISI 1005 Steel |
| BCE | 4 | 3 | ビーム | 20 x 150 mm | AISI 1005 Steel |
| CD および FH | 5 | 任意 | トラス |
1900 mm 2 |
AISI 1020 Steel, cold rolled |
| 表 1: FEA の特性 | |||||
結果環境で各リンクの表示/非表示の切り替えを容易にするために、パーツ番号を個別に割り当てます。ビーム間のピン拘束接続をシミュレーションするために、バケット(点 A と D)およびリンク BCE (点 B と E)に端部開放を使用します。
モデルを図 2 のように設計します。ビーム要素は 3D であるため、モデルの方向は任意の方向に定義できますが、図 2 に示すようにモデルの XZ 方向を使用します。(これにより、正面図で表示されます)。上記の表に基づいて、個別のパーツ番号(P)が示されています。
ビーム要素の場合、断面特性を入力するには、軸 2 の方向を決定する必要があります。目的の方向スキームは、次のとおりです。
ビーム要素の方向はラインのサーフェス番号でコントロールされるため、表 1 と図 2 ではビームの方向がサーフェス番号(S)で示されています。(ビーム要素の方向設定方法の詳細については、「解析の設定と実行」>「解析固有の情報」>「線形」>「要素のタイプおよびパラメータ」>「ビーム要素」ページの「ビーム要素の方向」セクションを参照してください)
![]() 図 2: FEA モデル |
| パーツ番号(P)、ユーザが指定した軸 2、および方向に基づいて決定されたサーフェス番号(S)が図に追加されています。 |

[新規])。 寸法はミリメートル単位、荷重はニュートン単位になっているので、モデルの単位としてニュートン、ミリメートル、および秒を選択します。
[作成]
[ライン]を選択して、ラインを追加します。 | 点 | 前の点からの相対位置 |
|---|---|
| F | (-480,0,120) |
| E | (-420,0,240) |
| D | (-300,0,140) |
| 表 2 | |
[ジオメトリを定義]ダイアログ ボックスを開いたままにします。追加のラインを作成します。
[ナビゲーション]
[方向]
[前面ビュー]を使用します。
[ナビゲーション]
[全体表示]をクリックして、モデル全体を表示します。
[選択]
[ライン])、右クリックして[属性変更]を選択します。次に、正しいパーツ番号またはサーフェス番号を設定します。
[選択]
[ライン])、[選択]
[選択]
[すべて]を選択します。
[変更]
[分割]をクリックし、選択した各ラインを 4 つのラインに分割します。
[作成]
[ライン]を選択して、2 つの円柱を表現するラインを描画します。
[ナビゲーション]
[全体表示]を使用して、必要に応じて、モデル全体を表示します。
[選択]
[頂点]を選択して点 G をクリックし、[Shift]キーを押しながら点 H をクリックします)。
[節点一般拘束]を選択します。
[節点一般拘束]を選択して、さらに 1 つ拘束を追加します。
[節点力]を選択します。
[節点モーメント]を選択します。
[荷重]
[重力]をクリックします。
[表示設定]
[オブジェクト表示設定]
[要素軸 1]および[要素軸 2)。これにより、点 D と B におけるビームの I 端点で R3 を開放し、点 A と E におけるビームの J 端点で R3 を開放する必要があることが分かります(図 3 を参照)。次の手順を実行します。
[選択]
[ライン]を選択して最初のラインをクリックし、[Shift]キーを押しながら 2 番目のラインをクリックします)。
[ビーム端解放]を選択します。
![]() 図 3: 適切な端部開放を設定するためにビームの方向を表示 |
| 各要素の中心にある方向マークは、どの方向が軸 1 であるかを示します。これにより、どの節点が I 節点か J 節点かを特定できます(軸 1 は節点 I から節点 J の方向に伸びています)。 |
[表示設定]
[オブジェクト表示設定]
[要素軸 1]および[要素軸 2])。 ほとんどの場合、設計最適化の入力データは、モデルの解析結果を基にして設定されます。どのイベントでも、最初に解析を実行し、解析が適切に実行されたことを確認してから、より詳細度の高い設計最適化解析を行うことを常にお勧めします。(このモデルは、モデルのチェックが実際に必要ないほど十分に小さいため、解析を実行した後に設定を確認します)
[解析]
[シミュレーションを実行]をクリックします。
[ナビゲーション]
[オービット]をクリックして、モデルを回転します。ビームの方向が適切に設定されている場合、長方形の高さが XZ 平面内に収まり、Y 方向の幅が狭くなります。確認が終了したら、可視化をオフにします。
[変位]
[変位]
[大きさ]をクリックして、たわみを確認します。許容されるたわみは最大 3 mm です。
[応力]
[ビームとトラス]
[最悪]をクリックして、応力を確認します。バケットの人為的なな応力により、大きな圧縮応力が発生します。これは、調査対象ではありません。ブラウザでパーツ 2 を右クリックし、[表示]の選択を解除します。残りのパーツの応力は、51 N/mm
2
(51 MPa)の圧縮から 60 N/mm
2
(60 MPa)の引張までの幅があります。100 MPa の制限値に到達した場合、断面を縮小する余地が相当生じます。
[その他の結果]
[要素力]
[軸 3 を中心としたモーメント])。モーメントをすばやく確認するには、[結果の照会]
[プローブ]
[プローブ]をクリックします。節点の近くにマウス カーソルを置くと、その節点の解析結果が表示されます。点 A、B、D、および E の近辺の解析結果が 0 であることを確認します。(節点 E では、リンク BCE に 0 のモーメントがあり、リンク DEFG に大きな曲げモーメントがあります) 設計最適化により調整されるパラメータを設計変数と呼びます。設計変数は、[要素定義]ダイアログ ボックスで指定します。ここでは、問題文で指定されたリンクの断面の高さを最適化します。
[環境]
[FEA エディタ])。
[解析]
[最適化]をクリックして、[設計最適化]ダイアログ ボックスを表示します。[設計変数]タブに、モデルに設定されている設計変数が表示されます。[現在の値]列には、[要素定義]ダイアログ ボックスで入力した寸法が記入されています。各設計変数の[下限]に 50 と入力して、断面が不当に小さくならないようにします。応力が許容値を下回っているため、上限値を大きくする必要はありません。したがって、[上限]には現在の値と同じ値を入力します。
[解析]
[重量と図心]コマンドを実行します。これにより、総体積の値 1.256e7 を得ることができます。
[応力]
[ビームとトラス]
[最悪]結果を表示することで、現在の断面の応力の現在の値を取得できます。(最大絶対値を使用してください。最大応力は負の場合もあれば正の場合もあります)。 | 目標/拘束 | 荷重ケース | タイプ | パーツ | 現在の値 | 制限値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 体積 | すべて | 最小化 | すべて | 1.256E7 | 4.7616E6 |
| 最大応力 | すべて | 上限 | 1 | 59.86 | 100 |
| 最大応力 | すべて | 上限 | 3 | 5.42 | 100 |
| 最大応力 | すべて | 上限 | 4 | 27.38 | 100 |
| 表 3: [パフォーマンス]タブの入力データ | |||||
[設計最適化を実行]を選択します。 | 01 | ** 拘束の変化は制限値を下回っています! | ||||
| 02 | ** 最適化は 5 回の反復後に終了しました | ||||
| 03 | ** 最適設計変数 ** | ||||
| 04 | =========================================================================== | ||||
| 05 | 設計 | 現在の値 | 下限 | 開始値 | 上限 |
| 06 | --------------------------------------------------------------------------- | ||||
| 07 | 1 | 1.8922e+002 | 5.0000e+001 | 2.5000e+002 | 2.5000e+002 |
| 08 | 2 | 5.0000e+001 | 5.0000e+001 | 1.5000e+002 | 1.5000e+002 |
| 09 | 3 | 7.6111e+001 | 5.0000e+001 | 1.5000e+002 | 1.5000e+002 |
| 10 | =========================================================================== | ||||
| 11 | ** 最適目標/拘束値 ** | ||||
| 12 | =========================================================================== | ||||
| 13 | 目標/拘束 | 現在の値 | 制限値 | 変化/違反 | |
| 14 | --------------------------------------------------------------------------- | ||||
| 15 | 目標 | 9.38600e+006 | 1.25600e+007 | 25.270701 % 減少 | |
| 16 | 1 番目の拘束 | 9.96355e+001 | 1.00000e+002 | -0.364452 % 違反なし | |
| 17 | 2 番目の拘束 | 1.62569e+001 | 1.00000e+002 | -83.743147 % 違反なし | |
| 18 | 3 番目の拘束 | 9.99214e+001 | 1.00000e+002 | -0.078580 % 違反なし | |
| 19 | =========================================================================== | ||||
| 20 | ** 最適化が終了しました!! ** | ||||
| 表 4: 設計最適化解析の最後の反復 | |||||
| 行番号は、次の説明を分かりやすくするために追加されました。 | |||||
| 反復間におけるユーザ指定の拘束の変化がユーザ指定の許容誤差を下回っていたため、解析は収束しました(行 01)。また、ユーザ指定の最大反復回数よりも少ない反復回数で収束に到達しました(行 02)。行 15 は、目標(体積、最小化対象)を示しています。変更/違反列は、最適設計の値がユーザ指定の現在の値より 25.3% 減少していることを示しています。第 1 の拘束(行 16、応力)の上限値は 100 MPa に指定されていました。最終的な最適値は 99.6 MPa でした。第 2 の拘束(行 17、応力)は、上限値 100 MPa を大幅に下回っています。この応力は、設計変数(断面の高さ、行 08)が下限値の 50 mm に設定されているため、これ以上高くなりません。したがって、断面がこれ以上小さくなることはなく、応力が 16.3 MPa より高くなることはありません。第 3 の拘束(行 18、応力)も制限値は 100 MPa に指定されています。(太字で表示されている文字は、この説明と対応付けるため強調されています) | |||||
| リンク | パーツ番号 | 最適な断面 |
|---|---|---|
|
面外幅("b") x 面内高さ("h") |
||
| DEFG | 1 | 24 x 189 mm |
| AB | 3 | 14 x 50 mm |
| BCE | 4 | 20 x 76 mm |
| 表 5: 最適な断面 | ||
[その他の結果]
[要素力]
[軸力]に設定します
[プローブ]
[プローブ])。
| シリンダ | 軸力 |
|---|---|
| CD | 21400 N |
| FH | 72450 N |
| 表 6: シリンダの力 | |
| (4 桁の有効数字) | |
シリンダのサイズは、仮定した流体圧力に基づいて計算できます。
モデルおよび結果の 2 つのアーカイブは、Autodesk Simulation Mechanical または Multiphysics のインストール フォルダの Models サブフォルダ内に格納されています。
この例は、Beer, Ferdinand P. および Johnston, E. Russell 著『Vector Mechanics for Engineers, Statics and Dynamics』(McGraw Hill, 7th Edition)の 341ページに記載されている例 6.149 を基にしています。