3D 運動学要素

3D 運動学要素は、ひずみが発生しないため応力はレポートされません。それ以外は、ブリック要素と同様に挙動します。質量、節点または面に適用する荷重、および経験運動を指定できます。柔軟性を備えたブリック要素に対する 3D 運動学要素の特長として、全体の剛性マトリックスのサイズにほとんど影響を及ぼさない点が挙げられます。

3D 運動学要素には、ブリック(8 つのコーナー節点、6 つの 4 辺形の面)、ウェッジ(6 つのコーナー節点、3 つの 4 辺形の面、2 つの 3 角形の面)、ピラミッド(5 つのコーナー節点、1 つの 4 辺形の面、4 つの 3 角形の面)、 4 面体(4 つのコーナー節点、4 つの 3 角形の面)など、さまざまなジオメトリ形状があります。中間節点は、ほとんど必要ありません。ただし、中間節点があるブリック要素または 3D 流体力学要素と境界を共有する場合は有用になります。これにより、このような境界での自由節点の発生が回避されます。

3D 運動学要素のサーフェス番号の決定

運動学パーツのサーフェス番号に荷重を適用する際は、一部のモデルには同一のサーフェス番号で荷重をかける面にすべての線がない場合がある点に留意してください。これに該当する場合、どのようなことが起こるのでしょうか。CAD ソリッド モデルから作成されたモデルの場合、その CAD モデルのサーフェスと一致する面はすべて、線のサーフェス番号にかかわらず荷重を受けます。ユーザ作成のパーツと CAD パーツとの関連付けを解除するために、ユーザ作成のパーツまたは CAD パーツを変更した場合、面を定義する 4 本のラインのうち 3 本(4 節点領域の場合)または 3 本のラインのうち 2 本(3 節点領域の場合)が共通するサーフェス番号により、その面のサーフェス番号が決定されます。

高度な 3D 運動学要素のパラメータ

3D 流体力学要素で使用する定式化法を[高度]タブの[解析定式化]ドロップダウン ボックスから選択します。[非線形材料に限る]オプションを選択すると、減衰効果および振動効果が無視されます。[Total Lagrange 法]オプションを選択すると、すべての静的変数および運動学変数について、初期状態で変形されていないモデルの構成が参照されます。[Updated Lagrangian 法]を選択すると、すべての静的変数および運動学変数について、前回計算されたモデルの構成が参照されます。

次に、このパーツの 3D 運動学要素で使用する積分オーダを[積分オーダ]ドロップダウン ボックスで選択します。長方形要素の場合は、[第 2 オーダ]オプションを選択します。中程度に変形した要素の場合は、[第 3 オーダ]を選択します。過度に変形した要素には、[第 4 オーダ]を選択します。要素剛性の定式化にかかる計算時間は、積分オーダの 3 乗に比例して増大します。そのため、処理時間を短縮するには、妥当な結果を生成する最も小さな積分オーダを使用する必要があります。

このパーツの 3D 運動学要素の中間節点を有効にするには、[中間節点]ドロップダウン ボックスから[作成する]を選択します。このオプションを選択すると、3D 運動学要素の各エッジの中点に追加の節点が定義されます。(CAD ソリッド モデルの場合、中間節点は、メッシュの作成前に選択したオプションに応じて CAD サーフェスの元の曲率に準拠します。ユーザ作成のモデルおよび CAD モデル メッシュを変更した場合、中間節点は、コーナー節点間の中点に配置されます)。これにより、8 節点3D 運動学要素は 20 節点 3D 運動学要素に変更されます。要素に中間節点を配置すると、計算される勾配の精度が高くなります。要素に中間節点が含まれる場合、処理時間が長くなります。メッシュが十分に小さい場合、中間節点を配置しても精度が大幅に向上しないことがあります。