衝撃解析(DDAM)

衝撃解析(DDAM)は、米国海軍の標準指針に基づいた衝撃解析法です。DDAM では、水中爆発による船上装置(マスト、推進軸、舵、排気管などの重要構造物)の据え付けにおける衝撃応答を解析できます。船舶および潜水艦の船体サーフェス上のすべての必須設備は、水中爆雷、機雷、ミサイル、魚雷などによる衝撃荷重の評価を受ける必要があります。

DDAM は、衝撃荷重を受けたコンポーネントと固定構造物との相互作用をシミュレーションします。水中での船舶の自由運動により、地上の重構造物の場合よりも高い衝撃スペクトルが発生します。DDAM は、この効果を船舶上の設備の重量、据え付け位置、および方向と関連付けて考慮に入れます。

固有値解析を実行してモード形状と固有振動数を特定した後、衝撃設計値(変位または加速度)の入力スペクトルを基に DDAM 解析を実行します。入力スペクトルの値は、米国海軍の非機密文書(主に米国海軍研究試験所の報告書 NRL-1396)のデータに基づいて、ソフトウェアにより自動的に指定されます。必要に応じて、ユーザ定義の係数を指定できます。これは、代替単位系や機密の係数について使用できます。機密の係数のセキュリティは、保護されたコンピュータで DDAM 解析を実行する機能により確保されます。

DDAM 解析のプロセッサは、米国海軍研究試験所(NRL)の総和法に基づいて、すべてのモード形状のピーク応答を組み合わせて全体の変位および応力を算出します。解析結果は、振動モードごとに結果環境で表示できます。

注:
  • 指定される入力スペクトラムの単位系は、重量ポンド、インチ、秒(力、長さ、時間)です。この入力スペクトラムを使用するすべての解析は、これらの単位系で実行する必要があります(その他の単位系は制限を受けません)。固有値解析もこの単位系で実行します。

  • DDAM では、オペレーティング システムにより別々の形式でファイルが作成されるモーダル解析の結果を使用します。そのため、モーダル解析および DDAM 解析は同じオペレーティング システムで実行してください。(理論的には、ファイル形式はエンディアンによって決まります。同じエンディアンを使用するオペレーティング システムの組み合わせであれば、どちらの解析にも使用できます。)

  1. 固有値解析または固有値解析(初期応力考慮)に使用するモデルを設定します。計算されたモード形状が DDAM 解析の実行中に組み合わされます。モーダル解析で計算された周波数は、適切な方向でモーダルが励起するレベルである必要があります。(一般的に、設計規格では別の最小値を要求することができますが、励起方向の累積質量は 80% など、特定の比率より上である必要があります。)
  2. 固有値解析を実行します。
  3. モデルを新しい設計シナリオにコピーします。ツリー表示で、現在の設計シナリオを右クリックして[コピー]を選択します。
  4. 新しい設計シナリオの解析タイプを DDAM に変更します([解析] [変更] [タイプ] [線形] [衝撃解析(DDAM)])。
  5. [解析パラメータ]ダイアログ ボックスで、方向およびパラメータを入力します。

    1. モーダル解析の結果がある設計シナリオを指定します。
    2. 係数および方向を指定します。適切な境界条件に基づいて荷重がモデルに伝達されます。(X 方向のスペクトルは、X 方向の並進が固定されている境界条件に基づいて伝達されます。他の方向のスペクトルも同様です)。
    3. モデルに適用されている他のタイプの荷重は解析に影響しません。
  6. 解析を実行します。
  7. 解析が完了したら、結果環境で結果を確認します。[結果オプション][解析指定][結果]を使用して、各固有値解析に対する応答と解析結果とを切り替えることができます。各固有値解析での応答を表示するには、[結果オプション] [荷重ケース オプション] [荷重ケース]メニューを選択します。変位の解析結果は地盤励起(入力スペクトル)を基準にしている点に留意してください。