応答スペクトル解析

応答スペクトル(モード法)解析は、エンジニアが地震のような不意の力や衝撃に対する構造応答を測定する場合に使用します。

地震が発生すると、構造物が地面と接している部分で激しい振動がその構造物に伝わります。安定した構造物を設計するためには、応答スペクトル(モード法)解析と、測定機器で収集された過去の地震のデータとを組み合わせて使用します。エンジニアは過去に実際に発生した地震に対して構造物がどのように応答するかを割り出し、新しい設計を検討することができます。

また、応答スペクトル(モード法)解析は、原子力発電所用の各種パーツ(原子炉パーツ、ポンプ、バルブ、パイプ、冷却器など)の設計にも利用できます。応答スペクトル解析(モード法)では、米国原子力規制委員会によって推奨されている方式を採用しています。

注: 応答スペクトル解析(モード重ね合わせ)ではモード解析の結果が使用され、オペレーティング システムにより各種形式のファイルが作成されます。そのため、モード解析と応答スペクトル解析を同じオペレーティング システム上で実行する必要があります。(理論的には、ファイル形式はエンディアンによって決まります。同じエンディアンを使用するオペレーティング システムの組み合わせであれば、どちらの解析にも使用できます。)

応答スペクトル解析を実行する一般的な手順は次のとおりです。

  1. 固有値解析または固有値解析(初期応力考慮)に使用するモデルを設定します。モード形状の計算結果は、応答スペクトル解析中に結合されます。モード解析で計算される周波数の数は、モデルを適切な方向に励振するのに十分な数であることが必要です。(一般的に、設計規格では別の最小値を要求することができますが、励起方向の累積質量は 80% など、特定の比率より上である必要があります。)
  2. 固有値解析を実行します。
  3. モデルを新しい設計シナリオにコピーします。(ツリー表示で現在の設計シナリオの見出しを右クリックし、[コピー]を選択します。)
  4. 新しい設計シナリオの解析タイプを応答スペクトル解析に変更します。([解析] [変更] [タイプ][線形] [応答スペクトル解析])
  5. [解析パラメーター]ダイアログ ボックスに、スペクトルおよびパラメータを入力します。
    1. モーダル結果が含まれる設計シナリオを指定します。
    2. スペクトルおよび方向を指定します。適切な境界条件下でスペクトル荷重がモデルに送信されます。(X 方向のスペクトルは、X 方向の並進が固定されているなどの境界条件下で送信されます。)
    3. モデルに適用されているその他のタイプの荷重は、解析には影響しません。
  6. 解析を実行します([解析] [解析][シミュレーションを実行])。
  7. 解析が完了したら、結果環境で結果を確認します。[結果オプション][解析指定][結果]を使用して、各固有値解析に対する応答と解析結果とを切り替えることができます。[結果オプション] [荷重ケース オプション][荷重ケース]を使用すると、各固有値解析での応答を表示できます。スペクトルが複数方向に割り当てられている場合は、[結果オプション] [解析指定] [スペクトル成分]を使用して、表示する方向を選択できます。変位の解析結果は地盤励起(入力スペクトル)を基準にしている点に留意してください。