V2014 の新機能(2013 年 3 月)

[スタートアップ][ヘルプ][バージョン情報]を選択して表示されるソフトウェアのバージョンは次のとおりです。

Autodesk Simulation Mechanical 2014

Build 2014.00.00.nnnn dd-Month-2013

(nnnn、dd、および Month はソフトウェアの最終ビルド時に設定されます)

[Autodesk Simulation Mechanical のバージョン情報]ダイアログボックス([ヘルプ] [バージョン情報])のタイトルバーには、32 ビットまたは 64 ビットバージョンのどちらを使用しているかが表示されます。

注: 次の一覧は、すべての新機能を網羅しているわけではありません。本ソフトウェアの小規模な変更で、ここに列挙されていないものがある場合があります。

機能強化の内容(一般):

解析固有の性能強化の内容については、このページの個別の解析タイプのカテゴリを参照してください。

[選択表示]コマンドが、接触をサポートする線形構造解析および非線形構造解析の接触ペア、および熱解析でも使用できるようになりました。このコマンドは、ブラウザ(ツリー表示)で接触ペアの見出しを右クリックすると表示されるコンテキストメニューからアクセスできます。
アプリケーションメニューに表示される最近使用したシミュレーションファイルのプレビューイメージが使用可能になりました。
新しいソルバーが、線形材料による静解析、MES、および非線形材料による静解析に追加されました。Autodesk® Moldflow® Algebraic Multi-Grid (AMG-MF)により、比較的厚肉のパーツに対するパフォーマンスが向上しました。適切である場合はこのソルバーが自動的に選択され、適切ではない場合は別のソルバーが選択されます。
変位解析結果の取得速度が、線形構造解析および非線形構造解析で大幅に改善されました。
線形および非線形変位結果の取得速度が大幅に向上しました。
新しい固有値ソルバー(サブスペース AMG)が追加され、大規模なモデルまたは多くの固有振動数が要求される解析において、線形および非線形固有値解析速度が速くなりました。適切なソルバー(サブスペース AMG またはスパース)が自動的に選択されます。
線形静解析および非線形構造解析の[解析パラメータ]ダイアログボックスの[熱]タブ内のオプションが更新されました。熱解析結果ファイル名を指定する代わりに、モデルファイル(Mechanical または CFD)と、温度に対してモデルから使用する設計シナリオを指定します。また、現在のモデル内で、温度のソースとして異なる設計シナリオを指定することもできます。
[ディスカッションフォーラム]コマンドが[コミュニティ]リボンタブに追加されました。この結果、Simulation Mechanical ユーザのコミュニティが拡大し、コミュニティのディスカッションに容易に参加できるようになりました。
Autodesk ディスカッショングループの[IdeaStation]ページへのリンクが、[コミュニティ]リボンタブに追加されました。このサイトにプログラムの機能強化に関するアイデアを投稿したり、他のユーザから投稿されたアイデアに投票することができます。

CAD との連携機能およびメッシュ作成

CAD ベースのモデルの場合、メッシュタイプが自動的に設定されるようになりました。ソリッド CAD モデルには[ソリッド]メッシュタイプ、サーフェス CAD モデルには[プレート/シェル]メッシュタイプが割り当てられます。異なるジオメトリが混在するアセンブリの場合は、グローバルメッシュタイプは、CAD モデル内のパーツで大多数を占めるタイプに基づいています。大多数ではないタイプは、パーツごとに自動的に定義され、グローバルの既定値がオーバーライドされます。
ユーザ入力の要素定義、および材料仕様が、プレート/シェル要素のパーツでも保持されるようになりました。これにより、追加の関連付けられたワークフローが利用可能となりました。1 つまたは複数の表面パーツで構成される CAD ベースのモデルを修正して再インポートした場合、以前に指定したプレート/シェル要素データ(厚さなど)および材料データを再入力する必要がなくなりました。
Autodesk Inventor CAD モデルファイルを開く前に、Simulation Mechanical でイメージをプレビューすることができます。
自動作成されたボルト([メッシュ] [CAD 追加項目] [ボルト])、または、ジョイント([メッシュ] [CAD 追加項目] [ボルト])に適用された荷重または拘束が、モデルのメッシュ再生成時に保持されます。従来は、すべての節点に基づく荷重および拘束はメッシュ再作成時に失われていました。
[リモート荷重および拘束]ツールによって生成されたラインが自動的に再生成され、適用した荷重または拘束がモデルのメッシュ再生成時に復元されるようになりました。
CAD サーフェスモデルの場合、メッシュ作成時のパーツ内のインプリンティング機能が復元されました。この機能が導入されたことで、1 つのサーフェスのエッジが同じパーツに属している別のサーフェスと交差する位置でメッシュが確実に一致するようになります。
[CAD メッシュを削除]コマンドを使用して、CAD パーツ上のサーフェスメッシュおよびソリッドメッシュを削除できるようになりました。このコマンドは、手動で作成したパーツまたはメッシュには適用されません。

線形応力解析および線形動解析:

パラメトリックスタディ ツールが追加されました。Autodesk Inventor で作成した CAD モデルの場合、ジオメトリを変更せずに、寸法パラメータを自動的に変更、解析、および比較できるようになり、最適な設計を容易に決定できるようになりました。
[解析パラメータ]ダイアログボックスの[荷重ケース]テーブルに[説明]列が追加されました。説明を入力することで、異なる荷重ケースを簡単に識別できるようになります。
周期対称を、メッシュが異なる 3D CAD ベースのモデルのサーフェスに定義および適用できるようになりました。従来は、周期対称サーフェスには、手動で作成した同一のメッシュが必要でした。
静水圧荷重をプレート要素の上面または底面に適用するかどうかを選択できるようになりました。これは、[表面静水圧オブジェクトを作成]ダイアログボックス内で選択します。
線形動解析では、質量寄与結果を記載した専用のログファイルが生成されるようになりました。従来は、これらの結果はプロセッサログの一部として記載されていました。
DDAM(米国海軍の標準指針に基づいた衝撃解析法)が、Simulation Mechanical および Simulation Mechanical 360 で実行できるようになりました。Simulation Multiphysics ライセンスは必要でなくなりました(Multiphysics 製品は廃止されました)。
節点質量を遠心力加速度と結合した際に、不適切な変位結果が生成される問題が修正されました。
不要な拘束がモデルに追加される問題が修正されました。これは、円筒サーフェスで相互に接触する複数のパーツにピン拘束を適用した際に発生することがありました。

メカニカルイベントシミュレーション(MES)と非線形材料による静解析:

選択グループを使用して接触ペアを定義できるサーフェス間接触解析のプログラムパフォーマンスが大幅に改善されました。[接触設定]ダイアログボックスへのアクセス時間と解析実行時間の両方が短縮されました。
落下試験シミュレーションを容易に設定できる落下試験ウィザードが追加されました。
HTML レポートの表形式が改善され、このレポートに非線形解析の荷重曲線情報が記載されるようになりました。また、[プロセッサインフォメーション]テーブルが分割され、改善された表形式で[イベント詳細]が表示されるようになりました。
歪みのある要素が検出された場合に、時間ステップサイズを縮小して解析の収束向上を図る新しい方法が導入され、既定のオプションとなりました。この方法が導入されたことで、従来の既定の方法よりも結果の精度が向上しました。

静電解析:

静電解析が Simulation Mechanical および Simulation Mechanical 360 で実行可能となりました。Simulation Multiphysics ライセンスは必要でなくなりました(Multiphysics 製品は廃止されました)。

FEA エディタ環境:

[追加]プルアウトメニュー(コンテキストメニュー内)の内容が並べ替えられ、さまざまな荷重と拘束がタイプ別に整理されるようになりました。また、外部コマンドが削除されました。メニューには、現在の解析タイプに適用可能な荷重と拘束のみが表示されます。
1 回の操作で複数のパーツの色を変更できるようになりました。
ビーム要素パーツがモデル内に存在しない場合、リボンの[設定]タブの[梁荷重]パネルは非表示になりました。
ブラウザで抑制したパーツの名前が、グレーの取り消し線フォントを使用してレンダリングされるようになりました。
[リモート荷重および拘束]ツールによって生成されるラインに、次に使用可能なパーツ番号が自動的に割り当てられるようになりました。未使用のパーツ番号を手動で変更する必要がなくなりました。
[ジョイント]コマンドの実行時に作成されるライン要素に対して、目的のパーツ、サーフェス、およびレイヤ番号を指定できるようになりました。
モデルのメッシュ生成後の既定のシェーディングは、メッシュラインではなく、CAD サーフェスに基づくようになりました。サーフェス全体がプリハイライト表示されるためサーフェスの選択が容易になり、サーフェスを選択するためにメッシュライン上を正確にクリックする必要がなくなりました。従来の外観を復元するには、メッシュを生成した後、[表示] [外観] [CAD サーフェス]オプションをクリックして非アクティブにします。
[選択表示]コマンドが、線形、非線形、および熱接触の接触ペアのコンテキストメニューに導入されました。接触表面のペアを選択表示すると、接触ペアに属している表面を除き、モデルのその他の表面をすべて非表示にすることができます。

結果環境:

[部品の結果]コマンドが追加され、パーツごとに現在の最小結果と最大結果を確認できるようになりました。
要素の軸力結果が、焼ばめ接触解析で使用可能となりました。

レポート環境:

HTML レポートの表形式が改善され、このレポートに非線形解析の荷重曲線情報が記載されるようになりました。
材料の降伏強度、および最大強度が HTML レポートに既定で表示されるようになりました。
ユーザ定義の荷重とシミュレーション結果を表示するためのテーブルが HTML レポートが追加されました。

Simulation Mechanical 360:

Simulation Mechanical 360 で、クラウドで解析を実行する代替方法として、ローカル解析オプションを使用できるようになりました。

他のシミュレーション、CAD、またはビジュアライゼーション製品との相互運用性:

Simulation Mechanical は Autodesk Simulation CFD から温度結果をインポートして、線形または非線形熱応力解析の荷重として使用できるようになりました。Simulation CFD の定常および非定常熱解析結果がサポートされます。
Simulation Mechanical では、次の 3 つ製品の InCAD アドインは、自動的にインストールされなくなりました。ユーザが CAD アドインインストーラ(SimMechConfig.exe)を手動で実行する必要があります。
- AutoCAD
- Pro/ENGINEER
- SpaceClaim
任意のカラースキームに基づく結果を Autodesk Showcase® にエクスポートしても、色が適切にレンダリングされるようになりました。従来は、Showcase では、既定のカラースキーム以外は適切な色で表示されませんでした。

材料ライブラリマネージャ:

材料特性をカスタム単位系を使用して材料ライブラリマネージャに入力することが可能となりました。
材料ライブラリマネージャに温度依存の材料特性をグラフ表示する機能が追加されました。
標準材料モデルを使用したすべてのライブラリ材料、およびヤング率、降伏強度、最大強度、および延長が定義されている材料に、ひずみ硬化係数が材料特性に追加されました。
せん断弾性係数の入力が等方性、温度依存等方性、等方硬化をともなうフォンミーゼスおよび移動硬化によるフォンミーゼス材料モデル(線形および非線応力解析に適用)の材料特性から除外されました。せん断弾性率は、ヤング率およびポアソン比に基づいて計算されます。

学習ソリューション:

「新規ユーザ用クイックスタート」セクションが Wiki ヘルプに追加されました。特に新規ユーザを対象とした 5 つの短いビデオと 2 つのチュートリアルが用意されています。これらのチュートリアルでは、ユーザの成功を支援する追加のガイダンスが提供されています。
Wiki ヘルプは、目次を簡略化し、他のオートデスク製品との統一を高め、トピックをより直観的に見つけることができるように内容が再編成されました。

その他:

流れ解析、物質移動解析、および連成マルチフィジックス解析は実行できなくなりました。それに伴い、[流体部品を生成]コマンドは、リボンの[メッシュ]タブから削除されました。流れ解析の詳細については、Autodesk Simulation CFD を参照してください。
J/s (ジュール/秒)の単位は W (ワット)として表示されるようになりました。
疲労解析ウィザードの一部のコマンド名やオプション名が変更され、分かりやすい順序に変更されました。
[グローバル CAD インポートオプション]ダイアログボックスが、より分かりやすい内容に変更されました。