剛体要素は、モデルの 2 つの節点を連結したり、モデルに含まれないパーツからの荷重を伝達したり、モデル化されていない境界をシミュレートする要素です。
剛体要素は、2 つの節点で構成されます。それぞれの剛体要素部分に取り込める要素の数に制限はありません。ただし、特定のパーツに含まれる剛体要素はすべて、同一の節点を共有する必要があります。解析中、この共通の節点はマスター節点として扱われます。具体例については、次の図を参照してください。
剛体要素には、1 以上の自由度に対して適用できる剛性値が 1 つだけ割り当てられます。
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不適正な例。剛体要素により、大きなアセンブリの 2 つのブラケットが接続されています。この例の剛体要素(パーツ 2、図内では P2 と表示)には不適正な部分があります。このパーツ内の各要素は、同一の節点を共有していません。適正なジオメトリを生成するためには、1 つのパーツ内にある各剛体要素は 1 つの節点に接続されている必要があります。(剛体要素をより明瞭に表示するため、ブラケットは透明化して表示してあります。) |
適正な例。各パーツに含まれる剛体要素はそれぞれ、1 つの節点を共有しています。パーツ 2(P2)では、中心にある節点にすべての剛体要素が接続されています。パーツ 4(P4)も同様です。パーツ 3(P3)は両側のパーツを接続しています。パーツ 3 は、1 つの要素でも 2 つの要素(中心の節点を共有する)でもかまいませんが、3 つの要素に分割することはできません。3 つの要素では、1 つの節点を共有しないためです。 |
不適正な剛体要素と適正な剛体要素 |
剛体要素を使用する場合は、まず[要素定義]ダイアログ ボックスの[剛性]フィールドでその剛体要素の剛性を定義します。要素のたわみまたは回転はそれぞれ、内力またはモーメントをこの値で割ることにより算出されます。剛性値は、単位が表示されず、表示単位系に基づいて変換されることもありません。適正な剛体要素の場合、軸方向の剛性(力/長さ)と回転方向の剛性(力 x 長さ/半径)には同じ数値を適用できます。
次に、[成分自由度(DOF)]領域で目的のチェック ボックスをオンにして、剛性を適用する自由度を指定します。荷重(力およびモーメント)は選択した方向にのみ伝達されます。 このとき、Tx Ty Tz により X 軸方向、Y 軸方向、および Z 軸方向の力が生じます。また、Rx Ry Rz により、X 軸、Y 軸、および Z 軸の周りのモーメントが生じます。この剛体要素が接続される要素には、荷重の伝達に関して同じ自由度を持つことが必要です。