プロパティが方向に依存しない場合、材料は等方性とみなされます。等方性材料特性は次のとおりです。要素タイプ、解析タイプ、および荷重によっては、一部の材料特性が必要でない場合があります。
材料の質量密度は単位体積あたりの質量です。質量密度はすべての線形要素に適用できます。この特性は重力荷重または加速荷重を含むすべての線形解析で必要になります。また、固有値解析とすべてのモード法解析で必要です。
ヤング率は、比例限度(降伏応力)までの応力対ひずみ曲線の傾きに相当します。これは、材料のヤング率とも呼ばれます。ヤング率はあらゆる線形要素に適用でき、すべての線形解析に必要になります。
線膨張係数は、温度差による材料の収縮と膨張に基づきます。これはあらゆる線形要素タイプに適用でき、熱荷重を受けるすべての線形モデルで必要になります。
ポアソン比は、軸方向に荷重が加えられた部材の負の横ひずみを軸方向のひずみで割った比になります。ポアソン比の範囲は通常 0.0~0.5 になり、トラス以外のすべての線形要素タイプに適用できます。また、すべての線形解析タイプで必要になります。
材料の降伏強さは、塑性ひずみに最初に変移した応力対ひずみ曲線上の開始点に相当します。一度降伏した後、新しい降伏応力は硬化の種類と荷重履歴によって異なります。
[降伏強さ]は、コード チェックを行う場合に線形応力のビーム要素で許容応力のパラメータとして使用します。それ以外の場合では、降伏応力は線形解析結果に影響しません(つまり、塑性効果は含まれません)。また、梁要素パーツでは、[降伏強さ]フィールドは[要素の材料指定]ダイアログボックス内に表示されません。ただし、材料ライブラリ マネージャ 内で降伏強さを指定することができ、結果環境では、安全率のコンター プロットの基礎として既定で使用されます。
せん断弾性係数は、比例限界に達するまでの材料のせん断応力とせん断ひずみの曲線の勾配です。弾性率と呼ばれることもあります。トラスとビーム以外のすべての線形要素タイプに適用できます。等方性材料モデルの場合、[要素の材料指定]ダイアログ ボックス内でせん断弾性係数を指定することはできません。代わりに、方程式 を使用してこの値を計算します。ここで、E はヤング率、ν はポアソン比です。