シーン管理と夜間照明

このレッスンでは、まず Revit で作成したオブジェクトをレイヤとシーン エクスプローラを使用して編成します。その後、人工のライトでビーチ ハウスを照らして、夜間のレンダリングを作成できるようにします。

レッスンの準備:

シーンで人工のライトを使用するための準備を行う:

  1. H を押して[シーンから選択](Select From Scene)ダイアログ ボックスを表示し、mr Sky Portal001 オブジェクトを選択します。
  2. [修正](Modify)パネル [mr Sky ポータル パラメータ](mr Skylight Portal Parameters)ロールアウトで Sky ポータルをオフにします。
  3. SunAndSky-002 オブジェクトを 選択します。
  4. [デイライト パラメータ](Daylight Parameters)ロールアウトで、[サンライト](Sunlight)および[スカイライト](Skylight)の 2 つの[アクティブ](Active)切り替えをオフにします。
  5. メイン メニューから[レンダリング](Rendering) [環境](Environment)を選択します。[環境と効果](Environment And Effects)ダイアログ ボックス [共通パラメータ](Common Parameters)ロールアウトで[マップを使用](Use Map)をオフにします。
    注: [サンライト](Sunlight)と[スカイライト](Skylight)がオフになっていてもスカイライトと関連付けられている環境マップはレンダリングに影響するため、反射のハイライトに望ましくない明るさが生じる可能性があります。
  6. [環境と効果](Environment And Effects)ダイアログ ボックスを閉じます。

    シーンのデイライトがなくなり、人工のライトで照らす準備ができました。

シーン エクスプローラをセットアップしてRevit オブジェクトを再編成する:

    ビーチ ハウスのジオメトリは 3ds Max シーンにバインドされているので、3ds Max のツールを使用して編成することができます。まず、個別のレイヤ上に家具を配置して、家具の表示、非表示を簡単に切り替えられるようにします。

  1. メイン ツールバーの何もない場所を右クリックし、ドロップダウン メニューから[レイヤ](Layers)を選択します。

    3ds Max によって[レイヤ](Layers)ツールバーが開きます。ただし、FBX ファイルから読み込んだジオメトリについてはレイヤ情報が含まれていないので、この時点では、シーンには 2 つのレイヤしかありません(既定の 0 レイヤと、すべてのジオメトリ(ライト、カメラ、家具、地表、建物自体)が含まれている beachhouse レイヤ)。

    3ds Max シーン エクスプローラを使用して、この編成を改善しましょう。

  2. [レイヤ](Layers)ツールバーは表示したままにします。
  3. メイン メニューから[ツール](Tools) [新規シーン エクスプローラ](New Scene Explorer)を選択します。
  4. シーン エクスプローラの[表示](View)フィールドで、ビューの名前を Revit Data に変更します。

    このビューで、シーンの作業をより行いやすいようにデータ要素を整理しましょう。まず、いくつかのカラムを追加して、オブジェクトに関する詳細情報が表示されるようにします。

  5. カラム ヘッダを右クリックして、ドロップダウン メニューから[カラムを設定](Configure Columns)を選択します。

    3ds Max によって[カラムを設定](Configure Columns)ダイアログ ボックスが開きます。

  6. [カラムを設定](Configure Columns)ダイアログ ボックスを、シーン エクスプローラ ウィンドウの右に移動します。
    ヒント: [ライト オン]
  7. シーン エクスプローラに[カラー](Color)カラムが表示されていない場合は、[カラムを設定](Column Chooser)ダイアログ ボックスから[カラー](Color)カラムをドラッグし、[名前](Name)カラムの右側のカラム ヘッダにドロップします。

    3ds Max によってシーン エクスプローラに[カラー](Color)カラムが追加されます。

  8. [シーン エクスプローラ](Scene Explorer)ウィンドウの右のエッジをドラッグして、新しい[カラー](Color)カラムが表示されるようにします。[カラムを設定](Column Chooser)ダイアログ ボックスも移動して見えるようにします。
    ヒント: ヘッダの分割線をドラッグすると、個々のカラムのサイズを変更できます。
  9. [シャドウ オン]新しいカラムを最後に追加したものの上にドロップしていくと、最後のものから最初ものへと順に並びます。
    • [シャドウ オン](Shadow On)
    • [ライト オン](Light On)
    • [非表示](Hidden)
    • [Revit カテゴリ](Revit Category) (このカラムは既に存在している場合があります)
    • [タイプ](Type)
    ヒント: カラムを追加した後に、ドラッグ アンド ドロップで位置を変更することもできます。
  10. [カラムを設定](Configure Columns)ダイアログ ボックスを閉じます。

家具を個別のレイヤに移動する:

  1. シーン エクスプローラで プラス記号アイコンをクリックし、Revit から読み込んだジオメトリが含まれる beachhouse.fbx エントリを展開します。
  2. [Revit カテゴリ](Revit Category)カラムのヘッダをクリックします。

    ここで、Revit シーン ファイルから読み込まれたすべてのオブジェクトがカテゴリ別に編成されます。[Furniture]カテゴリのオブジェクトが見えるようにスクロールします。

  3. リストの最初の家具オブジェクトを選択し、 キーを押しながら最後の家具オブジェクトを選択すると、その間のすべてのオブジェクトが選択されます。
  4. 黄色くハイライト表示されている家具オブジェクト( を押しながらクリックしたもの)の[非表示](Hidden)チェックボックスをクリックします。3ds Max によってすべての家具オブジェクトが非表示になります。[非表示](Hidden)チェックボックスをもう一度クリックすると、家具が再表示されます。
  5. [レイヤ](Layers)ツールバーで ([新規レイヤを作成](Create New Layer))をクリックします。

    3ds Max によって[新規レイヤを作成](Create New Layer)ダイアログ ボックスが開きます。

  6. 新規レイヤに Furniture と名前を付け、[新規レイヤに選択を移動](Move Selection To New Layer)をオンにしたまま、[OK]をクリックします。
  7. [レイヤ](Layers)ツールバーでレイヤ ドロップダウン リストを開きます。

    家具は、他の beachhouse オブジェクトとは別の、専用の Furniture レイヤ上にあります。3ds Max で作成したオブジェクトと同様に、これらの Revit オブジェクトについても[表示/非表示](Show/Hide)、[選択](Select)およびその他のレイヤ コントロールを使用することができます。

  8. [レイヤ](Layers)ツールバーを閉じます。

人工照明に使用するライトを選択する:

    このチュートリアルでは、フォトメトリック ライトをオフにした状態で Revit シーンを読み込みました(デイライトのレンダリングでは使用しないため)。シーン エクスプローラを使えば、クリック 1 つでこれらのライトをオンに戻すことができます。

  1. シーン エクスプローラで[タイプ](Type)カラム ヘッダをクリックして、ライト オブジェクトをオブジェクト リストの一番上に表示します。
  2. mr Sky Portal001 および SunAndSky-002 (実際にはヘルパー Compass001 の子)以外のすべてのライトを、クリックと を押しながらのクリックで選択します。
  3. 黄色くハイライト表示されているエントリ( を押しながらクリックしたもの)の[ライト オン](Light On)チェックボックスをクリックします。

    3ds Max によって選択したすべてのライトが点灯します。

    ヒント: [ライト リスト](Light Lister)を使用してライトのオン、オフを切り替えることもできますが、シーン エクスプローラの方が複数のライト オブジェクトを簡単に選択できます。
  4. シーン エクスプローラを閉じます。
    注: メインメ ニュー [ツール](Tools)メニュー [保存されたシーン エクスプローラ](Saved Scene Explorers)を選択すると、カスタマイズした任意のシーン エクスプローラ(Revit Data など)を再表示することができます。保存されたエクスプローラのリストがサブメニューとして表示されます。

夜間の屋内シーンをレンダリングする:

  1. Camera002 ビューポートをアクティブにし、 ([レンダリング フレーム ウィンドウ](Rendered Frame Window))をクリックしてレンダリング フレーム ウィンドウを表示します。
  2. [環境と効果ダイアログ(露出制御)](Environment And Effects Dialog (Exposure Controls))をクリックして、[環境と効果](Environment And Effects)ダイアログ ボックスを表示します。
  3. [mr フォトグラフィック露出制御](mr Photographic Exposure Control)ロールアウト [露出](Exposure)領域で、[シャッタ スピード](Shutter Speed)を 2 (1/2 秒)、[絞り](Aperture)を 2.8 という、夜間の照明条件に適した遅いスピードに設定します。
  4. [露出制御](Exposure Control)ロールアウトで[レンダリング プレビュー](Render Preview)をクリックします。
    危険: システムによっては、このプレビューのレンダリングに 4 分ほどかかることがあります。
  5. レンダリング フレーム ウィンドウで、[レンダリング フレーム](Rendered Frame)ウィンドウをクリックして、夜間のシーンをレンダリングします。

    このシーンのレンダリングには長い時間(システムによっては約 1 時間半)がかかることがあるので、レンダリングを最後まで実行しない場合は、[レンダリング](Rendering)進行状況ダイアログ ボックスで[キャンセル](Cancel)ボタンをクリックし、次の図に示した結果を参考にしてください。

    ほとんどの光源は室内を適度に照らしていますが、キッチンの照明が明るすぎて、キャビネットと冷蔵庫のディテールが白とびしています。これは、Revit に戻って光の強度を調整しなくても、3ds Max のコントロールを使って修正することができます。

  6. キッチン ライト Pendant Light - Linear - 2 Lamp 48” - 120V 0 を選択し、[修正](Modify)パネル [減光する](Dimming)領域で、[結果として生じる強度](Resulting Intensity)を 50 % (パーセント)に設定します。

    これで、ライトの強度が 5280 ルーメンから 2640 ルーメンに下がります。

  7. レンダリング フレーム ウィンドウで レンダリング フレームのクローンを作成してから、再度イメージをレンダリングします。

    結果を比べてみると、キッチンのライトが暗くなったことが分かります。キャビネットの詳細が分かりやすくなり、キッチンの床のグレアが少なくなりました。

作業を保存する:

概要

このチュートリアルでは、Revit で作成したモデルを 3ds Max に読み込んで、プロレベルの魅力的なレンダリングを作成する方法を学びました。

このチュートリアルで習得したカメラ、ライティング、露出テクニックの知識を活かして、以下のような、バンガロー モデルの別のビューを作成してレンダリングしてみるとよいでしょう。

ベッドルーム

リビング

キッチン

注: 夜間のシーン beachhouse_final.max では、Ocean オブジェクトのカラーを減光の青みがかったグレーに変更しました。

夜間の外観

これらのすべてのビューは、シーン beachhouse_final.max にセットアップされていて、すぐにレンダリングできるようになっています。