影の分析モデルの作成

[デイライト システム](Daylight System)の時刻をアニメートすることができます。これによって影の分析モデルを作成することができます。

このチュートリアルでは、以下について学習します。

重要: このチュートリアルでは、既定の Nitrous ビューポート ドライバが使用されているものと仮定しています。Nitrous は Direct3D を必要とし、大容量の専用グラフィック メモリを備えたプロ用のグラフィック ボードで使用した場合に最適に動作します。オートデスク認定の推奨事項については http://www.autodesk.com/max-hardware-jpn を、システム要件についてはhttp://www.autodesk.com/3dsmax-systemreq-2015-jpn を参照してください。

旧バージョンの Direct3D または OpenGL ドライバを使用している場合は、グラフィック ハードウェアで Shader Model 3.0 (SM3.0)以降のバージョンがサポートされていることを確認してください。このためには、[ヘルプ](Help) [ビデオ ハードウェアを診断](Diagnose Video Hardware)を選択します。すると、使用中のグラフィック構成の詳細に関するダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスの[GPU シェーダ モデル サポート](GPU Model Shader Support)にシェーダ モデルのバージョン番号が記載されています。旧バージョンの Direct3D または OpenGL ビューポートのビューポート コントロールは、Nitrous ビューポートのコントロールと若干の違いがあります。

使用しているグラフィック ハードウェアが SM3.0 をサポートしてない、またはソフトウェア ドライバを使用している場合は、このチュートリアルは省略してください。または、デイライトをアニメートする最初の手順を実行して、mental ray レンダラーを使用する残りの手順を省略することもできます。

スキル レベル: 初級

所要時間: 30 分

このチュートリアルの準備

シーンを設定する:

デイライトをアニメートする:

  1. メイン ツールバーで ([オブジェクトを選択](Select Object))をオンにします。
  2. トップ ビューポートで sun オブジェクトをクリックして選択します。

    コマンド パネルの名前フィールドに Daylight01 と表示されます。

  3. [モーション](Motion)パネルに移動します。
  4. ([オート キー](Auto Key))をオンにします。

    [アニメート](Animate)ボタン、トラック バー、およびアクティブ ビューポートの境界がすべて赤色になります。

  5. タイム スライダをフレーム 60 までドラッグ(または ([最後のフレームに進む](Go To End))をクリック)したあと、[コントロール パラメータ](Control Parameters)ロールアウトで[時間](Hours)値を 19 に変更します。

    [時間](Hours)、[分](Minutes)、および[秒](Seconds)値のスピナー矢印が赤い角括弧で囲まれ、時刻をアニメートするキーを設定したことを示します。

    [オート キー](Auto Key)を使用してフレーム 60 にキーを設定すると、3ds Max によって、開始フレームであるフレーム 0 にもキーが設定されます。これで太陽は 0700 ~ 1900 時、つまり午前 7 時から午後 7 時の範囲でアニメートされます。アニメーションには 61 個のフレームがあるので、太陽は 5 フレームごとに各時間の 00 分に到達します。

  6. ([オート キー](Auto Key))をオフにします。
  7. タイム スライダをドラッグします。

    太陽が移動するのが見えます。

  8. ([最初のフレームに戻る](Go To Start))をクリックし、フレーム 0 (ゼロ)に戻ります。

ビューポート ライティングを使用してシーンを表示する:

  1. Camera02 ビューポートをアクティブにし、 最大化します。
  2. シェーディング ビューポート ラベル メニュー(「[ リアリスティック ]」と表示されている)をクリックし、[ライトとシャドウ](Lighting And Shadows) [シーン ライトで照明](Illuminate With Scene Lights)を選択します。

    シーンはデイライト システムの一部である mr Sun ライトで照らされるようになり、Camera02 ビューポートには冬の早朝のライティングが表示されます。

  3. タイム スライダをドラッグします。

    太陽が空を移動するにつれて、ビューポートのシャドウが都市の風景を移動します。

    0900h

    1200h

    1500h

mr Sky の効果を見る:

    mr Sky をデイライト システムのスカイ ライトとして使用する利点の 1 つは、時刻によってライトのカラーが変化することです。

    空をよく見るには、Camera02 の角度が高すぎるので、最初にビューを変更します。

  1. POV (Point-Of-View、視点)ビューポート ラベル(現在「[ Camera02 ]」と表示されている)をクリックし、[カメラ](Cameras) [Camera01]を選択します。

    街の区画が斜めから見た角度で表示されます。

  2. シェーディング ビューポート ラベル メニューをクリックし、[ビューポート バックグラウンド](Viewport Background) [環境バックグラウンド](Environment Background)を選択します。

    3ds Max によって空と水平線が表示されます。時刻に従って空のカラーが変化します。

    0900h

    1200h

    1500h

    1648h

作業を保存する:

(オプション)影の分析のスナップショットをレンダリングする:

    ハードウェア シェーディング ビューポートは、インタラクティブな表示という点では優れています。しかし、ハードウェア シェーディングでは、レンダリングの完全な詳細は表示されません。また、前の真昼のライティングでのビューポートのグラフィックを見るとわかるように、ハードウェア シェーディングではアーティファクトが生成されることがあります。さらに分析を進めるために、またはプレゼンテーションを作成するために、シャドウをレンダリングしてもよいでしょう。

    影の分析をアニメーションにすることもできますが、このチュートリアルでは選択したフレームだけをレンダリングします。

    アニメーションが始まる 0700 時と、終了する 1900 時は、シーンが暗すぎて面白みがありません。そのため、より狭い範囲から選択したフレームをレンダリングします。

  1. メイン ツールバーで、 ([レンダリング設定](Render Setup))をクリックします。

    3ds Max によって[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックスが開きます。[共通設定](Common)パネルがアクティブになっています。

  2. [共通パラメータ](Common Parameters)ロールアウト [時間出力](Time Output)領域で、範囲をフレーム 5 からフレーム 45 (0800 ~1600 時)に設定します。[フレーム間隔](Every Nth Frame)を 5 に設定します。

    メインの昼の時間帯の間に、9 個のスナップショットのフレームをレンダリングします。

  3. [出力サイズ](Output Size)領域で、[800 x 600]ボタンをクリックします。

    小さいサイズの方がよりすばやくレンダリングされますが、影は確認しづらくなります。

  4. [レンダリング出力](Render Output)領域表示されるまで、下へスクロールします。[ファイル](Files)ボタンをクリックします。

    3ds Max によって[レンダリング出力ファイル](Render Output File)ダイアログ ボックスが開きます。既定では、レンダリングは 3ds Max によってチュートリアルの ¥renderoutput フォルダに保存されます。この場所は好きな場所に変更できます。

    出力タイプとして JPEG を選択し、ファイル名に thirdstreetblock と入力して、[保存](Save)をクリックします。

    JPEG ファイル形式の既定値を使用します。

    ヒント: アニメーションを作成する場合でも、連続番号が付けられた静止画のフレームにレンダリングすることをお勧めします。間違いを修正する必要がある場合に、個別のフレームを修正でき、アニメーション全体を再レンダリングせずに済みます。
  5. Camera01 がアクティブ ビューポートになっていることを確認し、[レンダリング](Render)をクリックします。

    3ds Max によって個々のフレームがレンダリングされます。各フレームのファイル名には、入力したファイル名に続けて、フレーム番号と同じ連番が付けられます。

    スナップショットのセットから完全にレンダリングされたフレーム

    いろいろ試してみるとよいでしょう。たとえば、デイライト システムの月を夏のものに変更すると、昼の時間が長くなり、シャドウの方向が変わります。

    このシーンの完成版は、cityscape_animated.max という名前で保存されています。

作業を保存する:

概要

影の分析モデルを作成する場合、オートキーを使用してデイライト システムの時刻をアニメートできます。ハードウェア ビューポート シェーディングでは、シャドウを表示できます。アンビエント オクルージョンをオンにすると、シャドウの品質が向上します。スカイ ライトの mr Sky は、空のカラーを提供します。レンダラーを使用して、非常に詳細なフレームやアニメーションを作成することもできます。