結果を表示して解釈する

このステップでは、Simulation Composite Analysis の状態変数出力を表示して解説します。

Simulation Composite Analysis はいくつかの状態変数出力を生成します。 この手順では、キー変数(SV2)を表示して解説します。SV2 は要素内の繊維破損および母材破損を追跡する状態変数です。

ソリッド複合要素を使用する大規模モデルの複合結果を Patran に表示するには、特別な環境変数を使用して Patran を開く必要があります。

  1. 解析が完了した後、コマンド プロンプトに以下を入力して Patran を開きます。
    >>SET DRANAS_NAST_MEM=2048MB
    >>C:\MSC.SOFTWARE\PATRAN_x64\20130\bin\patran.exe -skin
    2 行目が patran.exe ファイルへのパスを示します。マシン上でこのパスを設定するには、Patran 2013 のデスクトップ アイコンを右クリックし、[Properties]をクリックします。
  2. [File] > [New]をクリックし、結果を含むフォルダにナビゲートします。データベース ファイルに ASCA_Tutorial_3_Nastran_Results.db という名前を付け、[OK]をクリックします。
  3. [File] > [Import]をクリックし、[Source]を[MSC.Nastran Input]として指定します。
  4. バルク データ ファイルの場所にナビゲートします。[Apply]をクリックします。
  5. [Analysis]タブで、[Action]を[Access Results]に設定し、[Object]を[Attach Output2]に設定します。
  6. [Select Results File]をクリックし、.op2 ファイルの場所にナビゲートします。[OK]をクリックします。
  7. [Apply]をクリックします。
  8. [Results]タブの[Fringe]ボタンをクリックします。
  9. [Select Result Cases]リストから[SC1:Step 1, At1:Time = 1]サブケースを選択します。
  10. [Select Fringe Result]ウィンドウから[SV3, NonLinear Output]を選択し、[Apply]をクリックします。

SV3 は母材の破損インデックスを表します。この変数は、SV3 が 1 以上になると発生する破損に母材がどのくらい接近しているかを示します。

上に示すコンタ プロットの既定の層は Ply 8 で、SV3 の最大値は 0.497 です。これは、Ply 8 では母材破損インデックスが 1 未満となり、破損が検出されていないことを意味します。

すべての層における母材破損の最大インデックスを表示するには、エンベロープ プロットを作成します。エンベロープ プロットは、各要素のすべての断面ポイントに対する最大または最小統合ポイントの値を示します。

  1. エンベロープ プロットを作成するには、[Results]フォームの[Layer]ボタンをクリックし、8 つの層すべてをハイライトします。
  2. メニューから[Maximum]を選択し、[OK]をクリックします。[Results]フォームの[Apply]をクリックします。

    最大の母材破損インデックスは 2.22 です。これは、母材破損が 1 つまたは複数の層で発生すると予測されていることを示します。

  3. 母材破損が最初に発生するステップは、中間荷重ステップの結果を見ることで判断できます。
  4. 時間 = 0.05 から開始し、ステップを実行しながら、いつ母材破損が検出されたかをビューポートで判定します(SV3 の最大値は 1 以上です)。母材破損はステップ時間 0.65 と 0.7 の間で発生します。
  5. 母材破損がどの層で発生したのかを判定するには、[Results]フォームの[Position]をクリックし、各層の破損分布を確認します。方向が同じ層は、積層が対称であるため破損インデックス分布が一致します。たとえば、Ply 2 と Ply 7 の破損インデックス分布は同じです。

    層 1 と層 8 を除くすべての層で母材破損が発生しています。層 1 および層 8 では、繊維が荷重方向を向いているため、これらの層では母材破損は予測されません。硬い繊維は、層 1 および層 8 のひずみがクリティカル レベルに到達するのを制限します。

  6. エンベロープ プロットに切り替え、最終フレーム(時間 = 1.0)をプロットします。
  7. [Select Fringe Result]ウィンドウから[SV4, Nonlinear Output]を選択します。SV4 は繊維破損インデックスを表し、繊維が破損にどのくらい接近しているかを示します。SV4 の値が 1 以上の場合、繊維破損が発生します。プロットは、以下に示すような形になります。

すべての層の SV4 の最大値が 1 未満(max = 0.61)であるため、繊維破損は予測されません。