結果を表示して解釈する

解析の結果を確認します。

Simulation Composite Analysis は出力データベース ファイルに保存されるいくつかの状態変数出力を生成します。 このステップでは、これらの変数を表示して解説します。

  1. ジョブが完了したら、メインツールバーから[File] > [Open]をクリックし、ASCA_Tutorial_3_xs.odb を開きます。これにより出力データベースファイルが開き、Visualization モジュールに切り替わります。ビューポートには変形していないプレートが表示されます。
  2. 状態変数 SDV2 は母材の破損インデックスを表します。この変数は、SDV2 が 1 以上になると発生する破損に母材がどのくらい接近しているかを示します。この変数をプロットするには、メイン ツールバーから[Result] > [Field Output]を選択します。 [Field Output]ダイアログ ボックスが表示されます。出力変数のリストから[SDV2]を選択します。[OK]をクリックします。
  3. 表示される[Select Plot State]ダイアログ ボックスから[Contour]を選択します。 [OK]をクリックします。
  4. メイン ツールバーから[Options] > [Common]を選択し、[Common Plot Options]ダイアログ ボックスの[Deformation Scale Factor]フィールドに値 「1」 を入力して、変形スケール係数を調節します。[OK]をクリックします。プロットは、以下に示すような形になります。

注: 上に示すコンタ プロットの既定の層は Ply 1 で、SDV2 の最大値は 0.492 です。これは、Ply 1 では母材破損インデックスが 1 未満となり、破損が検出されていないことを意味します。

すべての層における母材破損の最大インデックスを表示するには、エンベロープ プロットを使用することができます。エンベロープ プロットは、各要素のすべての断面ポイントに対する最大または最小統合ポイントの値を示します。

  1. エンベロープ プロットを作成するには、メイン ツールバーから[Result] > [Section Points]を選択します。[Categories]ボックスから[Envelope]オプションを選択し、[Apply]をクリックします。 プロットは、以下に示すような形になります。

    最大の母材破損インデックスは 2.226 です。これは、母材破損が 1 つまたは複数の層で発生すると予測されていることを示します。

  2. 母材破損が最初に発生するステップは、中間荷重ステップの結果を見ることで判断できます。メイン ツールバーから[Result] > [Step/Frame]を選択します。ステップの各増分のリストが表示されます。代わりの方法として、ツールバーのステップ コントロール を使用することもできます。
  3. ステップ時間 = 0.000 から開始し、ステップを実行しながら、いつ母材破損が検出されたかをビューポートで判定します(SDV2 の最大値は 1 以上です)。母材破損はステップ時間 0.65 と 0.7 の間で発生します。
  4. 母材破損がどの層で発生したのかを判定するには、[Section Points]ダイアログ ボックスの[Plies]をクリックし、各層の破損分布を確認します。方向が同じ層は、積層が対称であるため破損インデックス分布が一致します。たとえば、Ply 2 と Ply 7 の破損インデックス分布は同じです。

    層 1 と層 8 を除くすべての層で母材破損が発生しています。層 1 および層 8 では、繊維が荷重方向を向いているため、これらの層では母材破損は予測されません。硬い繊維は、層 1 および層 8 のひずみがクリティカル レベルに到達するのを制限します。最初に母材破損が発生した増分は、中間荷重ステップの結果を見ることで判断できます。

  5. エンベロープ プロットに切り替え、最終フレーム(ステップ時間 = 1.00)をプロットします。
  6. メイン ツールバーから[Result] > [Field Output]を選択し、[SDV3]をプロットします。 SDV3 は繊維破損インデックスを表し、繊維が破損にどのくらい接近しているかを示します。SDV3 の値が 1 以上の場合、繊維破損が発生します。プロットは、以下に示すような形になります。

すべての層の SDV3 の最大値が 1 未満であるため、繊維破損は予測されません。