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アンビエント オクルージョンは、理論上のアンビエント ライト ソースに基づいてシェーディングを計算し、モデル上に一般的なシャドウの領域を作成します。アンビエント オクルージョンによる計算は、ハードウェア シェーディングとソフトウェア シェーディングの両方で使用できます。

計算された情報は Wire ファイルに保存され、計算された後は、再度の計算によるオーバーヘッドが大きく生じることなく、簡単にオンとオフを切り替えできます。

アンビエント オクルージョンでは、サーフェス法線の方向がすべて統一されている必要があります。アンビエント オクルージョンを最初に計算するとき、ツールと表示が Unify Surface Orientation ツールに変更されます。法線の統一の詳細については、Surface Edit > Orientation > Unify Surface Orientation を参照してください。

アンビエント オクルージョンは、交差するジオメトリが共有エッジにトリムされる場合に最も効果があります。ジオメトリの交差は、アルゴリズムが内側の暗いサンプル ポイントと外側の明るいサンプル ポイントの平均を取ろうとするため、混乱を招きます。Detail (resolution)の値を上げれば、この問題は小さくなりますが、問題が完全になくなることはありません。

「隠蔽する(occluder)」ジオメトリと「隠蔽される(occluded)」ジオメトリには違いがあり、隠蔽できるのはスプラインサーフェスだけで、メッシュは隠蔽できません。ハードウェア シェーディングテッセレーションが計算に使用されます。ハードウェア シェードをオンにしておく必要があります。

Ambient Occlusion オプション

Scope

すべてのサーフェスでオクルージョンテクスチャを計算するのか、シーン内で選択した(アクティブな)サーフェスだけで計算するのかを選択します。

非表示、テンプレート、またはリファレンスとして設定されていないジオメトリはすべてスイッチに関係なく、オクルージョンを行います。

サーフェスがレンダリング中に覆い隠されないように、透明なサーフェスはすべて、アンビエントオクルージョンを計算する前に非表示(またはテンプレート化やリファレンス化)にする必要があります。

他のサーフェスよりも大きなサーフェス(環境の床や壁など)がいくつかある場合は、解像度を下げて、これらの大きなサーフェスのオクルージョンを別々に計算します。質を上げたい小さなディテールがいくつかある場合、これらの解像度を上げて別々に計算します。

Detail (resolution)

モデル間で品質のバランスを均等に取り、どんなスケールのモデルに対しても適切な解像度を提供するために、オクルージョンテクスチャの解像度は、自動的に計算されます。Detail スライダを使って、これらの解像度をスケールアップまたはスケールダウンできます。

この値を増やして、小さなディテールが計算され、アンビエント オクルージョンに含まれるようにします。シーンに小さなディテールがない場合、数字を低いままにすることができます。

たとえば、次のような操作を想像してみてください。シーン バウンディング ボックスが計算され、512 x 512 テクスチャがこのボックスにマップされます。測定テープがこれらのテクスチャ ピクセル間の距離をチェックします。「Detail (resolution)」スライダはこの距離に拡大されます。このスキームにより、カフスボタンをモデリングする場合でも、ジェット旅客機をモデリングする場合でも、設定にまったく変更を加えることなく初期結果が満足できるものになります。

ここではバウンディング ボックスと想像上の 512 x 512 テクスチャから離れましょう。距離を測定して拡大し、この距離を使って、オクルージョン テクスチャを各サーフェス上でそれぞれのワールド座標空間の長さ(u と v)に応じて測定します。こうすれば(1)モデル全体にわたって LOD(Level Of Detail)が一定になり、(2)特定のスライダ値の LOD を変更した場合の副次的な悪影響は、モデルに対する非常に大きな変化だけとなります。

Smoothness (rays/sample)

イメージがまだらであったり、むらがあったりする場合は、この値を増やして、よりスムーズで均一なイメージを作成します。

この値は、オクルージョン テクスチャのピクセル単位でトレースされる光線の数です。この値を高くすると計算時間が長くなりますが、結果のテクスチャのノイズのコントラストが小さくなります。

滑らかさの計算に使われるアルゴリズムは、光線の数を 4 の倍数に丸めるため、この値には 4 の倍数を使用してください。

Filter Radius

オクルージョン テクスチャのスムージングを制御します。スライダ レンジは 1~4 ですが、0~7 の値を入力することができます。

ヒント:

一般的に、オクルージョン設定はまとめて変更するようにしてください。解像度を上げるときフィルタサイズを大きくし、サンプルあたりの光線数を減らすと、うまくいくことがよくあります。逆に、解像度を下げるときサンプルあたりの光線数を増やし、フィルタ サイズを小さくすると、うまくいくことがよくあります。

注:

NURBS サーフェスをメッシュに変換するとき Ambient Occlusion をオンにすると、オクルージョン テクスチャが保存されます。

Use Decay

シェーディングされるサーフェス上のポイントを隠蔽するオブジェクトの距離制限を有効にします。この距離の範囲外のオブジェクト(Decay Distance)は、そのサンプル ポイントでのサーフェスのアンビエント オクルージョンには影響しません。

Decay Distance

オブジェクトによって隠蔽されなくなるサンプル ポイントからの距離(シーン単位)。

Self-Shadow Correction

サーフェスに十分な凹部があり、テッセレーションが非常に粗い場合、モデルに黒いスポットまたはストリークが見える場合があります。通常、この問題は Hardware Shade を前よりも細かいテッセレーションに設定してオクルージョンを計算することにより解決できます。それでもまだスポットやストリークがある場合、Self Shadow Correction 値を増やしこれらのサーフェスを再計算して、アーティファクトを修正できます。

Hardware Shade 設定の Show Triangles をオンにして、テッセレーション グリッドに沿って暗いスポットが表示されるかどうかを見ることによって、セルフシャドウがアーティファクトの原因であることを確認できます。

Chord-Length Parameterization

スプラインベースのサーフェスの UV パラメトリック設定を参照することなしに、ワールド空間ユニットで計測されたサーフェスの距離にもとづいたマッピング手法を使用します。これにより、コンストラクションに関係なくオクルージョン詳細を複数サーフェス上に均等に分散できます。詳細分散が非常に不均等になるため、継ぎ目のアーティファクトが発生することがあります。

キーを押すことにより、計算を中断できます。計算が停止するまでに数秒かかる場合があります。