AutoCAD® VBA プロジェクトは、コード モジュール、クラス モジュール、および、連携して特定の機能を実行する各種フォームの集合です。プロジェクトは、AutoCAD 図面に保存することも個別のファイルとして保存することもできます。
埋め込まれたプロジェクトとは、AutoCAD 図面内に保存されたプロジェクトのことです。プロジェクトが埋め込まれている図面を AutoCAD で開くと、そのプロジェクトが自動的にロードされます。そのため、プロジェクトの配布が簡単になります。埋め込まれたプロジェクトは、それが入っているドキュメント内だけで機能するので、AutoCAD 図面を開いたり、閉じたりすることはできないという制限があります。埋め込まれたプロジェクトを使用すれば、プロジェクト ファイルを見つけ出しロードしてからプログラムを実行するという手間が省けます。図面に埋め込まれたプロジェクトの一例として、図面を開いたときに開始されるタイム ログがあります。このマクロによって、ユーザはログインし、図面の作業にかかった時間を記録しておくことができます。プロジェクトは自動的にロードされるので、図面を開く前にプロジェクトをロードすることに気をくばる必要がありません。
グローバル プロジェクトは、独立したファイルに保存され、AutoCAD 図面内で使用できるだけでなく、AutoCAD 図面を開いたり閉じたりでき、広い用途に使用できますが、図面を開いたときに自動的にはロードされません。ユーザがマクロを使用するためには、そのマクロがどのプロジェクト ファイルに入っているかを知っている必要があり、しかもそのプロジェクト ファイルを自分でロードしなければなりません。しかし、グローバル プロジェクトは他のユーザと簡単に共有できるので、汎用性のあるマクロのライブラリとして利用できます。プロジェクト ファイルに保存するプロジェクトの一例に、いくつもの図面から部品表を収集するマクロがあります。管理者は作業サイクルの最後にこのマクロを実行して、いくつもの図面から情報を収集することができます。
ユーザは AutoCAD セッションでいつでも、埋め込まれたプロジェクトとロードしたグローバル プロジェクトの両方を使用することができます。
AutoCAD VBA プロジェクトとスタンドアロンの Visual Basic 6 または .NET プロジェクトには、バイナリ レベルの互換性はありません。しかし、フォーム、モジュール、およびクラスは、VBA IDE の VBA の[読み込み]および[書き出し]ツールを使用してプロジェクト間で交換することができます。Visual Studio .NET による COM Automation からの AutoCAD の操作とカスタマイズがサポートされています。