概要 - モデル空間から印刷する

単一ビューの 2D 図面の場合、レイアウトを使用せずに、モデル空間でモデルと注釈の全体を作成できます。

この方法は簡単ですが、次の制限があります。

プロセスの概要

モデル空間で作図して印刷する場合は、印刷する前に、尺度係数を決定して注釈オブジェクトに適用する必要があります。次の手順に従います。

  1. 図面の計測単位(作図単位)を決定する。
  2. 作図単位の表示形式を指定する。
  3. 寸法、注釈、ブロックの尺度を計算して設定する。
  4. モデル空間にタイトル ブロックを挿入し、目的の印刷尺度の逆数に尺度変更します。
  5. モデル空間で、実寸(1:1)で作図します。
  6. 寸法、注記、ラベルを、目的の印刷尺度の逆数も尺度設定して記入します。
  7. 図面をあらかじめ定義した尺度で印刷する。

計測単位を決定する

モデル空間で作図を始める前に、画面に表示される各単位が、インチ、ミリメートル、キロメートルなど、どの単位を表すかを決定します。たとえば、モーターの部品を作図する場合は、1 単位が 1 ミリメートルになるように指定する場合があります。一方、地図の作図では、1 単位を 1 キロメートルに指定することもあります。

作図単位の表示形式を指定する

図面の作図単位を決定したら、単位のタイプと精度など、作図単位の表示形式を指定します。たとえば、14.5 は、14.500、14-1/2、1'2-1/2" のように表示できます。

UNITS[単位管理]コマンドを使用して、作図単位の表示形式を指定します。既定の作図単位のタイプは、十進表記です。

注釈とブロックの尺度を計算して設定する

作図する前に、図面で使用する寸法、注釈、ブロックの尺度を設定する必要があります。あらかじめこれらの要素の尺度を設定しておくと、最終図面を印刷するときに、確実に適切なサイズで表示されます。

次のオブジェクトの尺度を入力する必要があります。

注釈の尺度を自動的に変更したい場合は、異尺度対応オブジェクトを使用することもできます。

印刷時の尺度係数を決定する

[モデル]レイアウトから図面を印刷する場合は、図面の尺度を 1:n の比率に変換して正確な尺度係数を計算します。 この比率は、印刷単位と、作図中のオブジェクトの実際のサイズを表す作図単位との比率です。

たとえば、1/4 インチ = 1 フィートの尺度で印刷する場合、その尺度係数は、次のような計算により 48 となります。

1/4" = 12"

1 = 12 x 4

1(印刷単位) = 48(作図単位)

同じ計算で、1 センチメートル = 1 メートルの尺度係数は 100、1 インチ = 20 フィートの尺度係数は 240 となります。

モデル空間からの印刷の尺度係数の例

尺度

尺度係数

文字の印刷サイズ

文字の作図サイズ

1 cm = 1 m

100

3 mm

30 cm

1/8" = 1'-0"

96

1/8"

12"

3/16" = 1'-0"

64

1/8"

8"

1/4" = 1'-0"

48

1/8"

6"

3/8" = 1'-0"

32

1/8"

4"

1/2" = 1'-0"

24

1/8"

3"

3/4" = 1'-0"

16

1/8"

2"

1" = 1'-0"

12

1/8"

1.5"

1 1/2" = 1'-0"

8

1/8"

1.0"

メートル単位で作業をしている場合、210 x 297 mm の用紙サイズ(A4 サイズ)で尺度係数を 20 とすると、グリッド範囲は次のように計算されます。

210 x 20 = 4200 mm

297 x 20 = 5900 mm