概要 - 外部参照使用時のパフォーマンスを向上させる

大きな図面の外部参照をロード解除する

現在の図面から参照図面(外部参照)をロード解除すると、図面は速く開き、使用されるメモリ容量も少なくなります。

外部参照定義は図面ファイルからロード解除されますが、参照図面への内部ポインタはそのまま残ります。外部参照は表示されなくなり、非グラフィカル オブジェクト情報は図面に表示されません。ただし、外部参照を再ロードすることで、すべての情報を復元することができます。システム変数 XLOADCTL(ディマンド ロード)が 1 に設定されている場合、図面をロード解除すると、元のファイルのロックが解除されます。

参照ファイルが最終印刷では必要でも、現在の図面編集では必要ない場合は、ロード解除します。図面ファイル内のロード解除した外部参照を作業リストに保持しておき、必要なときに再ロードすることができます。

ディマンド ロードの概要

プログラムでは、「ディマンド ロード」および内部インデックスとともに図面の保存を実行して、クリップした大きな参照図面、またはフリーズ画層上に多数のオブジェクトがある大きな参照図面を使用するときのパフォーマンスを向上させることができます。ディマンド ロードにより、現在の図面の再作図に必要な参照図面のデータだけがメモリにロードされます。つまり、参照データは「オンディマンドで」(要求に応じて)読み込まれます。

ディマンド ロードは、システム変数 INDEXCTL、XLOADCTL、XLOADPATH とともに動作します。

ディマンド ロードの利点を最大限活用するためには、参照図面を画層と空間インデックスとともに保存します。ディマンド ロードのパフォーマンスの利点は、次のような場合に最も顕著に現れます。

ディマンド ロードが有効な状態で、空間インデックスが保存されている外部参照をクリップした場合、図面に読み込まれるオブジェクトの大部分は、クリップ内容に含まれる参照図面データベース内のオブジェクトからなります。クリップ内容を修正すると、参照図面から、必要に応じて、さらにオブジェクトがロードされます。同様に、多くのフリーズ画層を持つ外部参照を画層インデックスとともに保存した場合は、フリーズ解除された画層上にあるオブジェクトだけが、現在の図面に読み込まれます。これらの外部参照従属画層がフリーズ解除されると、必要に応じて参照図面からジオメトリが読み込まれます。

ディマンド ロードが有効な場合、すべての外部参照図面がロックされます。この場合、要求に応じて必要なジオメトリが読み込まれます。他のユーザは、これらの参照図面を開くことはできますが、変更を保存することはできません。他の図面にディマンド ロードされている外部参照を、他のユーザが修正できるようにするには、[コピーを使用]オプションを指定してディマンド ロードを使用します。

[コピーを使用]オプションを指定してディマンド ロードを有効にすると、参照図面のテンポラリ コピーが作成され、そのテンポラリ ファイルがディマンド ロードされます。その後で、元の参照図面を修正可能な状態にしている間に、外部参照をディマンド ロードします。ディマンド ロードを無効にすると、画層の表示/非表示や、クリップ インスタンスに関係なく、参照図面全体が読み込まれます。

画層インデックスと空間インデックスは、AutoCAD Release 14 および AutoCAD LT 97 で追加されました。 これより前のバージョンで保存された図面を外部参照すると、インデックスとともに保存された図面と同様のパフォーマンス上の利点は得られません。パフォーマンスを最大限に引き出すには、画層インデックスと空間インデックスをオンにして AutoCAD Release 14 や AutoCAD LT 97 以降のバージョンで保存された図面を参照するときに、ディマンド ロードを使用します。