AutoCAD .NET API は、ObjectARX および ActiveX オートメーションのクロス実装です。ObjectARX から ActiveX オートメーションにアクセスできますが、AutoCAD .NET API を使用すると、これらをシームレスに操作できるようになります。ネイティブ AutoCAD .NET API を使用してオブジェクトを操作するときに、プロパティから同等の COM オブジェクトにアクセスできます。場合によっては、AutoCAD フィーチャにプログラムでアクセスするには COM オブジェクトが唯一の方法です。AutoCAD .NET API を介して COM オブジェクトを公開するプロパティの例として、Preferences、Menubar、MenuGroups、AcadObject、AcadApplication などがあります。
Application オブジェクトの Preferences プロパティから COM オブジェクト セットにアクセスできます。各 COM オブジェクトは[オプション]ダイアログ ボックスの 1 つのタブに対応します。これらのオブジェクトは、[オプション]ダイアログ ボックス内の、レジストリに格納されるすべての設定にアクセスします。また、Application オブジェクトの SetSystemVariable メソッドと GetSystemVariable メソッドを使って、オプション(および[オプション]ダイアログ ボックスに含まれないシステム変数)の設定と修正ができます。
COM オブジェクトへのアクセスが便利なのは、元々は VB または VBA 用に開発された既存のコードを操作する場合や、AutoCAD ActiveX オートメーション ライブラリと AutoCAD .NET API を使用するサードパーティ製ライブラリを操作する場合です。Preferences オブジェクトと同様に、Utility オブジェクトを使用して座標を変換したり、角度や距離に基づいて新しい点を定義したりするユーティリティにアクセスすることもできます。Utility オブジェクトには、AutoCAD .NET API の Application オブジェクトに相当する AcadApplication COM オブジェクトからアクセスできます。