AutoCAD .NET API は、図面ファイルまたはアプリケーションのオブジェクトにアクセスできるようにする多種多様なクラス、構造、メソッド、およびイベントを含む、さまざまな DLL ファイルで構成されています。各 DLL ファイルは異なる名前空間を定義します。これらの名前空間は、機能に基づいてライブラリのコンポーネントを整理するために使用されます。
AutoCAD .NET API の使用頻度の高い主要な DLL ファイルは、次のとおりです。
- AcCoreMgd.dllエディタでの作業時、パブリッシュと印刷時、AutoLISP から呼び出すことができるコマンドと関数の定義に使用します。
- AcDbMgd.dll: 図面ファイルに格納されたオブジェクトを操作する場合に使用します。
- AcMgd.dll: アプリケーションやユーザ インタフェースを操作する場合に使用します。
- AcCui.dll: カスタマイズ ファイルを操作する場合に使用します。
AutoCAD .NET API DLL を参照する
AutoCAD .NET API 関連の DLL の 1 つに含まれるクラス、構造、メソッド、およびイベントを使用する前に、DLL をプロジェクトで参照する必要があります。DLL をプロジェクトで参照した後、プロジェクト内の DLL ファイル内の名前空間とコンポーネントを使用できるようになります。
AutoCAD .NET API DLL の参照後は、参照する DLL の Copy Local プロパティを False に設定する必要があります。Copy Local プロパティは、Microsoft Visual Studio が参照する DLL ファイルのコピーを作成し、プロジェクトの作成時に生成されたアセンブリ ファイル(または実行可能ファイル)と同じフォルダに配置するかどうかを決定します。参照するファイルは製品に付属しているため、参照する DLL ファイルのコピーを作成すると、アセンブリ ファイルのロード時に予期しない結果が生じる可能性があります。
アセンブリ ファイルは、中間言語(IL)ベースのプログラムから生成されるソース コードで、共通言語ランタイム(CLR)と呼ばれる .NET ランタイムを起動することで実行されます。CLR は、オペレーティング システムまたは他のアプリケーションによって実行される直前、アセンブリをネイティブ コードにコンパイルします。実行直前のランタイム時のコンパイル処理は、JUST-IN-TIME (JIT)コンパイルと呼ばれることもあります。ネイティブの実行可能ファイルを作成する場合、NGEN を使ってアセンブリを事前コンパイルすることができます。NGEN を使用すると、IL 逆アセンブラを使用してアセンブリを表示することができなくなるため、安全性を向上させることができます。
AutoCAD .NET API DLL ファイルの場所
AutoCAD .NET API DLL ファイルは、<ドライブ>:¥Program Files¥Autodesk¥<リリース> にあります。または、http://www.objectarx.comhttp://www.objectarx.comhttp://www.autodesk.com/adnhttp://www.autodesk.co.jp/adnObjectARX SDK の一部として含まれています。
ObjectARX SDK のインストール後は、メイン インストール フォルダの下にある inc フォルダに DLL ファイルがあります。
注: ObjectARX SDK の DLL は、AutoCAD ユーザ インタフェースの依存関係が含まれていないため、AutoCAD に付属する同じファイルの簡易バージョンになります。AutoCAD または AutoCAD ベースのプログラムのインストール フォルダにある DLL ファイルではなく、ObjectARX SDK のダウンロードおよびインストール後に SDK に付属の DLL ファイルを参照することが推奨されます。
操作方法
最新の ObjectARX SDK をダウンロードしてインストールするには
- 既定のインターネット ブラウザ アプリケーションを起動し、http://www.objectarx.com を参照します。
- Web ページで、[License & Download] をクリックします。
- 必要なフィールドに入力し、ObjectARX for AutoCAD <リリース> を選択します。[Submit] をクリックします。
- Download ページで [Download Now] をクリックしてダウンロード マネージャを使用するか、または [Standard Download Method] をクリックしてインターネット ブラウザの既定のダウンロード方法を使用します。
- [Save] またはローカル ドライブにファイルを保存するために使用するオプションをクリックします。
- ObjectARX SDK パッケージ ファイルをダウンロードする場所を指定します。
- パッケージ ファイルをダウンロードしたら、保存した場所を参照してファイルをダブルクリックします。
インストール ウィザードが表示されます。
- ObjectARX <リリース> ダイアログ ボックスで新しいインストール場所を指定するか、または既定のインストール場所のままにします。[Install] をクリックします。
問題がない場合、インストール ウィザードはインストールの完了後に閉じます。
マネージ .NET プロジェクト ウィザードをインストールするには
- 既定のインターネット ブラウザ アプリケーションを起動し、http://autodesk.co.jp/developautocad を参照します。
- <リリース> .NET Wizards.zip ファイルをダウンロードして解凍します。
- 解凍したファイルの場所を参照し、<リリース> dotNET Wizards.msi ファイルをダブルクリックします。
- [AutoCAD .NET Wizard] ダイアログ ボックスで [次へ] をクリックします。
- [インストールするフォルダの選択] ページで [一覧] をクリックしてウィザードの新しいインストール場所を指定するか、または既定の場所のままにします。[次へ] をクリックします。
- ウィザードのインストールを確定するには、再び[次へ] をクリックします。
- インストーラを閉じるには、[閉じる] をクリックします。
AutoCAD .NET API DLL を参照するには
- Microsoft Visual Studio で、ソリューション エクスプローラが表示されていない場合は、[表示]メニュー [ソリューション エクスプローラ]をクリックして、ソリューション エクスプローラを表示します。
- ソリューション エクスプローラの上部のツールバーで、[すべてのファイルを表示]をクリックします。
- [参照]ノードを右クリックし、[参照の追加]をクリックします。
- [参照の追加]ダイアログ ボックスの[参照]タブで使用するライブラリを含む DLL ファイルを選択し、[OK]をクリックします。
- ソリューション エクスプローラで、[参照]ノードの左側にあるプラス記号をクリックして展開します。
- [参照]ノードから参照するライブラリを選択します。
- 選択した参照を右クリックし、[プロパティ]をクリックします。
- [プロパティ]ウィンドウで[ローカルにコピーする]フィールドをクリックし、ドロップダウン リストから[False]をクリックします。