このセクションでは、Maya が Linux 上で動作するように設定するための情報を提供し、Linux 版 Maya とその他のバージョンの Maya との違いについても説明します。また、Linux オペレーティング システム上で Maya を使用する場合に特有のその他の情報も提供します。制限事項と可能な対応策の詳細については、www.autodesk.com/maya-readme-2015-jpn にある Maya リリース ノートを参照してください。
Linux 上の Maya 2015 のプラグインとスタンドアロン アプリケーションをコンパイルするには、リリースされている gcc 4.1.2 コンパイラを使用します。Maya は、CentOS 6.2 WS でこのコンパイラを使用してコンパイルされています。
また、Maya では、ご使用のシステムに既にインストールされている可能性のあるコンポーネント ライブラリもいくつか利用します(Qt、Python、OpenAL、Intel TBB、MKL、Cg など)。このようなライブラリは、Maya のインストール フォルダ下の /lib フォルダにインストールされており、Linux システムの通常の操作を妨げることはありません。ご使用のシステムにこれらのライブラリの新しいバージョンがインストールされていることがあります。この場合、Maya との互換性は不明です。
詳細については、www.autodesk.com/maya-sdkdoc-2015-jpn にある API ガイドを参照してください。
Linux、特に Fedora システムの場合、OS の既定のインストール時に、Maya の動作に必要なシステム ライブラリの一部がインストールされません。yum を使用すると、追加が必要なシステム依存ライブラリを検索し、必要なランタイム ライブラリを構成できます。
たとえば、依存ライブラリのいくつかは、次のコマンドを実行してインストールできます。
OpenGL 依存ライブラリ(Nvidia/AMD より提供)
X Windows 依存ライブラリ
システム依存ライブラリ
libssl.so.x および libcrypto.so.x は RHEL に付属する OpenSSL ライブラリのバージョンです。必要なシステム ライブラリのバージョン番号は、ご使用の Linux により異なります。たとえば、Fedora 14 では libcrypto.so.10 および libssl.so.10 を使用します。
libssl.so.6 および libcyrpto.so.6 の互換パッケージが RHEL 6 および CentOS 6 で提供されています。Maya をインストールする前にこのパッケージをインストールしてください。
yum install openssl098e-0.9.8e
Maya のインストーラがシステム ライブラリの旧バージョンの有無を確認し、存在する場合はシンボリック リンクを Maya lib フォルダに自動作成します。ネットワーク サーバから Maya を実行している場合など、この処理が自動的に行われない場合もあります。
ライブラリのシステム バージョンが存在する場合はそれらを使用します。
su cd /usr/autodesk/maya2015-x64/lib ln –s /usr/lib64/libssl.so.10 libssl.so.6 ln –s /lib64/libcrypto.so.10 libcrypto.so.6
システムに libssl.so および libcrypto.so のいずれのバージョンも存在しない場合は、/usr/autodesk/maya2015-x64/support/openssl/ にあるファイルを使用できます。
support フォルダにあるファイルを使用する必要がある場合は、Maya lib フォルダに次の名前でファイルをコピーしてください。
su cd /usr/autodesk/maya2015-x64/lib cp ../support/openssl/libssl.so.6 libssl.so.6 cp ../support/openssl/libcrypto.so.6 libcrypto.so.6 cp ../support/openssl/libcrypto.so.6 libcrypto.so.0.9.8
従属アプリケーション
これはコマンド言語の解釈アプリケーションです。コマンド yum install tcsh を実行してインストールします。
Maya では、既定ではインストールされないフォントを使用する場合があります。次を実行し、これらのフォントをインストールします。
yum install xorg-x11-fonts-ISO8859-1-100dpi yum install xorg-x11-fonts-ISO8859-1-75dpi yum install liberation-mono-fonts liberation-fonts-common liberation-sans-fonts liberation-serif-fonts
Fedora 14 以降で Consistent Network Device Naming(CNDN)を有効にしてスタンドアロン ライセンスを使用している場合は、オートデスクが使用している FlexNet のバージョンがこの命名規則をサポートしないことに注意してください。スタンドアロン ライセンスを使用して Maya を実行する新しいシステムは、旧式の ethX デバイス名を使用して設定する必要があります。
(CNDN は、Fedora システムでは既定で有効になっています。Red Hat では、特定の Dell システム上では有効になっています)。
CNDN を無効にする方法など、詳細については Red Hat および Fedora の Web サイト参照してください。
Maya を Linux 上で使用するには、既定の特定のキーボードとマウスとの対応を初期設定から変更する必要があります。既定の対応設定では、パネルでビューのタンブルやパンを行うためのコマンドなどを Maya が受け取ることができません。
Linux ウィンドウ マネージャが変わってキー対応が異なると、キーの対応とその設定手順も異なってきます。Linux システムはカスタマイズ性が高く、Maya で使用可能な Linux システム コンポーネントの組み合わせが非常に多くあり、Autodeskが記述(またはテスト)できる限界をはるかに超えています。
これ以降では、最も一般的な構成を変更するために必要な手順について説明します。
Maya を KDE や Gnome で適切に機能させるためには、マウス コントロールを若干修正する必要があります。[Alt]キーとマウス ボタンとの既定の対応は、Maya ではうまく機能しません。Maya 2015 から、タンブルの場合の[Alt]キーのように動作するメタキー(Windows)の使用がサポートされています。シーンのタンブルに Alt+マウス ボタンを使用する場合は、バインドが矛盾しないように注意してください。
KDE や Gnome のバージョンが異なれば、キーの対応を選択する方法も異なってきます。使用している特定のウィンドウ マネージャでは以下の説明どおりには動かないという場合は、KDE や Gnome のマニュアルに記載されている手順を参照してください。
Red Hat で稼動する KDE
(Fedora 14)Interactive Inner Window、Inner Window、Titlebar、
フレーム
Red Hat で稼動する Gnome
(ここで[Control]または[Alt]を設定すると、Maya の使用時に問題が発生する可能性があります)。