白色点は、イメージのカラー バランスを決定します。白色点は、オリジナルのシーンのイルミネーションと、出力が表示されるときの条件の両方に応じて調整する必要があります。このプロセスは、色順応、ホワイト バランシング、グレー バランシング、ニュートラル バランシングなどとも呼ばれます。
ほとんどの場合、ユーザがイメージの白色点を個別に調整する必要はありません。単純に、適切な変換を選択するだけです。オートデスクのカラー管理に付属している変換は、表示および出力用に、および特定の白色点を持つカラー スペース間での変換時に、適切な白色点の調整を自動的に行います。たとえば、RDT+ODT/ACES_to_sRGB 変換には D60 (ACES)から D65 (sRGB)への変換が含まれます。カラー変換ファイルのメタデータの説明タグには、各変換が意図されている白色点についての詳細な情報が提供されます。
ただし、異なる白色点にキャリブレーションされたプロジェクタまたはディスプレイ用に補正する必要がある場合や、異なる順応白色点用に意図されたイメージを混ぜる必要がある場合もあります。このような場合、whitepoint/ フォルダの変換を適用することができます。これを行う前に、まずイメージを CIE-XYZ カラー スペースに変換します(シーン参照または出力参照リニア エンコーディング)。
キャリブレーション白色点とクリエイティブ白色点があるため、デジタル シネマ プロジェクタ(および DCDMs)の白色点の問題は、特に複雑です。キャリブレーション白色点は、デバイスがキャリブレーションされる白色点です。ただし、暗い映画館では順応に影響するその他の光源がないため、クリエイティブ白色点が異なる場合があります。
たとえば、デジタル シネマ標準で使用される DCI 白色点は、多くの人が緑色過ぎると感じます。そのため、映画館ではプロジェクタをこの白色点にキャリブレーションする必要があり、シーン内のニュートラル オブジェクトが D60 などの別の(「クリエイティブ」)白色点に表現される場合があります。これは、出力変換として RRT+ODT/ACES_to_DCI-D60 などを使用するか、whitepoint/ フォルダの変換を自分で使用して白色点を明示的に変換することで行うことができます。
このテクニックは、実際にはモニタを別の白色点に再度キャリブレーションすることなく別のデバイスの白色点を一致させる場合にも使用されることがあります。たとえば、暗い映写室にモニタがある場合、白色点が異なるためモニタのカラーは投影されるカラーとは一致しません。モニタのカラーと一致させるには、D65 から DCI のように、白色点を変換する必要があります。これを行うと、モニタのニュートラル カラーは等しいコード値に対応しなくなり、キャリブレーション ホワイトが異なっても目的の白を達成するために必要なコード値に対応するようになります。