カスタム カラー変換

オートデスクのカラー管理では、独自の .ctf ファイルを作成してカスタム カラー変換を定義することができます。

カスタム変換を構築する

Smoke、Flame、Lustre では、カスタム モードを使用し、インストールされたコレクションから、または ASC CDL またはサードパーティの LUT フォーマットの変換を読み込んで、変換のチェーンを作ることができます。その後、チェーン全体を単一の .ctf ファイルとして書き出し、ビュー変換として使用することや、頻繁に行う変換の時間を節約することができます。

.ctf ファイル フォーマットはカラー処理操作の任意のリストを表すことができるため、書き出された変換はオリジナルの処理のロスのないリプリゼンテーションになります。つまり、オリジナルの変換を単一の 3D LUT にベイク処理するよりもずっと正確です。

.ctf ファイル フォーマットは XML ベースのため、任意の XML またはテキスト エディタを使用してカラー変換を作成することや変更することもできます。ゼロから変換を作成することや、<Reference>要素を使用して既存の変換ファイルからチェーンを構築することができます。「オートデスク CTF ファイル フォーマット バージョン 1.3」を参照してください。

Flame や Smoke のような一部のオートデスク アプリケーションでは、.ctf ファイルでこれらのコントロールがダイナミックとして宣言されている場合、表示用に露出とコントラストをインタラクティブに調整することができます。アプリケーションで設定されている露出およびコントラストの値はプレビュー用に使用され、ファイルで設定されている値は処理用に使用されます。

これは、カラー値に影響しない(つまり、露出が 0 でコントラストが 1 の) ExposureContrast オペレータを含む変換を作成し、変換が表示に適用されるときには露出およびコントラストを調整できることを意味します。これにより、非常に明るい領域または非常に暗い領域の詳細を確認することができます。ただし、同じ変換が処理に使用される場合、出力カラー値は影響を受けません。

misc/ フォルダのいずれかの exposure-contrast ファイルを使用して、独自のカラー変換でこれを利用することができます。シーンリニア、対数、またはビデオ カラー スペースに挿入できるように、3 つのバージョンがあります。アルゴリズムは、たとえばログ カラー スペースで exposure-contrast_log 変換の露出およびコントラスト スライダがシーンリニア カラー スペースの exposure-contrast_linear と同じように動作するように調整されています。

Flame および Smoke では、プレビュー用に外観変換のオンとオフを切り替えることができます。外観オン/オフ(Look On/Off)切り替えは、ビュー変換に LOOK_SWITCH ダイナミック パラメータを持つオペレータ要素が 1 つ以上含まれているときに表示されます。同じオペレータに「true」に設定されたバイパス アトリビュートがある場合、それらは処理中にスキップされます。これにより、ファイルにレンダーされる値には影響しないオペレータを含めることができ、表示用にオンとオフを切り替えることもできます。

これを利用する方法の 1 つは、外観変換ファイルを defaultLook エイリアスとして定義することです。defaultLook エイリアスは LUT プリファレンスで設定でき、設定は SynColor 設定ファイルに保存されます。その後、同様に defaultLook エイリアスを参照する misc/ フォルダのいずれかの変換へのリファレンスを含む変換チェーンを作成できます。
  • misc/default_look 変換は外観変換を直接適用します。
  • ACES ワークフローを使用していて ACESproxy がセットで使用されている場合、代わりに misc/default_look-ACESproxy 変換を参照できます。この変換はまず ACES から ACESproxy に変換し、defaultLook を参照して、最後に ACES に再度変換します。外観変換が ASC CDL オペレータで、"noClamp"オプションを使用する場合、ACES の値は ACESproxy 範囲にクランプされません。内部処理は 32 ビット浮動小数点精度で行われるため、わずかな量子化損失が発生します。

既定では、これらの変換は出力をレンダリングするときに適用されます。ただし、XML を編集して bypass="true" をリファレンス要素に追加し(「共通オペレータ アトリビュート」を参照)、外観を表示用にのみ切り替え可能にして、出力のレンダリング時には適用にされないようにすることができます。

これにより、外観変換が適用されるカラー空間を完全にコントロールできるようになり、任意のセット上ワークフローに一致させることができます。たとえば、ログからビデオ スペースへの変換用の 3D LUT とセット上ワークフローの ASC CDLs のセットが提供されていて、CDLs を 3D LUT の後ではなく前に適用する必要があると仮定します。変換のチェーンに既定の外観をまず含め、次に 3D LUT を含めます。このファイルをビューア変換として適用し、適切な ASC CDL 変換を defaultLook エイリアスとしてショットに設定します。セットで表示されていた内容をエミュレートするために構成されたビューアを使用して、オリジナルのログ メディアを扱えるようになりました。また、ビューアのダイナミックな外観オン/オフ(Look On/Off)スイッチを利用して、外観のオンとオフを簡単に切り替えることができます。