抜き勾配結果

抜き勾配結果は、成形品の抜き勾配の変化を表示します。

射出成形品が冷却および収縮するときに、金型内のコアまたは雄型における収縮の方が大きい傾向があります。このため、設計に抜き勾配が含まれない場合は突出が困難になります。

金型表面の粗さまたはテクスチャ、成形品の複雑性、突き出す成形品の奥行き、材料特性を考慮して、抜き勾配を決定します。たとえば、抜き勾配が 1.5 度である場合、滑らかな表面では容易に突出できますが、粗いレザー テクスチャの場合は 4 度~ 8 度の抜き勾配が必要な場合があります。

この結果の使用法

抜き勾配結果は、パーティング平面である XY 平面に基づく角度で、勾配の変化を表します。成形品が XY 平面を基準に適切な向きに配置されていない場合、抜き勾配結果は不適切なものとなります。

角度許容値は色の帯として表示されます。
  • 青色はパーティング平面(XY 平面)に平行な表面を示す。
  • 赤色は抜き勾配がゼロの表面を示す。
  • 4 色(黄色、緑色、青緑色、シアン)を使用して、抜き勾配のさまざまな範囲を示す。
これらの許容値は変更できます。たとえば、成形品の最小許容勾配が 1.5 度であるならば、最小許容値を 0.5 度から 1.5 度に変更したり、他の例では 2.5 度や 4 度に増加したり、状況に応じて調整できます。このためには、非常に小さな範囲内のすべての角度は 1 色で表現します。
既定では、角度許容値は次のように定義されます。
  • > 3.0°(シアン)
  • < 3.0°(青緑色)
  • < 1.0°(緑色)
  • < 0.5°(黄色)
注: リストの 1 番上の値は 2 番目の値と同じかそれより大きい値を示し、編集できません。その他の値は降順で示す必要があります。

確認事項

抜き勾配が適切であるかを判断する前に多くの要因を考慮する必要がありますが、通常、0.5 度~3.0 度の範囲の抜き勾配が許容可能と考えられます。材料メーカーでは特定の材料と用途に関して、特定の抜き勾配のガイドラインを用意している場合があります。この結果を使用して、成形品とこれらの仕様を比較検討できます。

[結果の確認]ツールを使用して、選択した領域の実際の抜き勾配値を表示します。