解析前のメッシュのチェック

モデルのメッシュを生成した後に一連の診断チェックを実行して、メッシュが解析に適したものであることを確認することを強くお勧めします。

メッシュの品質を評価するために、次のツールが用意されています。
注: メッシュ タイプを Dual Domain から 3D へ変更する場合は、3D メッシュを生成する前に Dual Domain メッシュの問題を診断および修正する必要があります。
最適な解析結果を得るには、メッシュにエラーが無く、次の条件を満たしている必要があります。

または、計算時間を短縮するために、Midplane および Dual Domain モデルからコーナー ブレンドや面取りなどの微細な形状を削除することができます。これらの形状は、非常に高いメッシュ密度を使用して 3D モデルで解析可能ですが、全体的な結果はほとんど変わりません。

高精度の結果を出すには、良好なメッシュを使用することが非常に重要です。メッシュの評価とモデルのクリーンアップでは、次のような作業を実行することを推奨します。

外観検査

メッシュ密度などメッシュの異常で、目視によって確認できるものがあります。


Dual Domain メッシュの外観検査

上図では、同一モデルに対して 3 つの大幅に異なるメッシュ密度が使用されています。
  • 1 番目のメッシュはやや粗いため (要素が少ない)、一致パーセンテージが低くなり、この成形品は肉厚変化を適切に表現できない可能性がある。
  • 2 番目のメッシュは必要以上に多数の要素があるため、長い計算時間を要する。
  • 3 番目のメッシュは大よそ適切な要素数を使用している。この面には複数列の要素があり、要素はほぼ正三角形で、アスペクト比が許容可能となることを示している。

メッシュ統計情報

メッシュ密度の外観検査で問題がないことを確認した後、[メッシュ統計情報] レポートを使用して、メッシュ品質が許容可能であることを確認します。

Midplane および Dual Domain モデルのメッシュ統計情報には、次のセクションが含まれます。
  • エンティティ数
  • エッジ詳細
  • 方向詳細
  • 交差詳細
  • サーフェス三角形アスペクト比
  • 一致パーセンテージ (Dual Domain モデルのみ)
3D モデルのメッシュ統計情報には、次のセクションが含まれます。
  • ノード (数)
  • 要素 (四面体の数、体積、アスペクト比、および最大二面角、ビームの数および体積)
  • 総体積

メッシュ統計情報で問題を確認した後、修正措置を取って問題を修復します。

メッシュ診断

診断ツールを使用することで、[メッシュ統計情報] レポートでリストされた問題に関する詳細情報を表示できます。

次の診断を利用できます。
  • アスペクト比診断 (Midplane および Dual Domain モデルのみ)
  • ビームの長さ/直径比診断
  • オーバーラップ要素診断これには交差およびオーバーラップ要素が含まれる (Midplane および Dual Domain モデルのみ)。
  • 表裏方向診断 (Midplane および Dual Domain モデルのみ)
  • 接続診断
  • フリー エッジ診断これにはフリー エッジまたは非マニホールド エッジが含まれる (Midplane および Dual Domain モデルのみ)。
  • 崩壊面診断 (Dual Domain モデルのみ)
  • 寸法診断 (3D のみ)
  • 肉厚診断 (Midplane および Dual Domain モデルのみ)
  • 掛け数診断
  • ゼロ面積要素診断 (Midplane および Dual Domain モデルのみ)
  • Dual Domain メッシュ一致診断 (Dual Domain モデルのみ)
  • ビーム要素数診断
  • トラップされたビーム診断
  • 中心の近さ診断
  • 冷却回路診断
  • バブラー/バッフル診断

診断が表示されると、[診断ナビゲータ]ツールバーが自動的に表示されます。このツールバーを使用することで、診断で検出されたモデル要素に容易に拡大ズームできます。

メッシュ修復ウィザード

クリーンなモデルで解析を実行するには、メッシュの外観検査、メッシュ統計情報、およびメッシュ診断の確認後、検出された問題を修復する必要があります。問題の修復は、メッシュ修復ウィザードを使用して実行できます。

メッシュ修復ウィザードでは、モデルで一連の診断を実行し、各診断で検出された問題を修復できます。

Midplane および Dual Domain モデルでは次のツールが使用できます。
  • フリー エッジのステッチ
  • 穴をうめる
  • オーバーハング
  • 縮退要素
  • 法線の反転
  • オーバーラップ修正
  • 崩壊面
  • アスペクト比
3D モデルでは次の診断と修復が使用できます。
  • 反転した四面体
  • 崩壊面
  • 肉厚方向の改良不足
  • 内部の長いエッジ
  • 体積の極端に大きい四面体
  • アスペクト比の高い四面体
  • 面角が極端な四面体
注意:
3D エンティティでメッシュ修復ウィザードを実行すると、サーフェス ノードの位置が変更する場合があります。複数部品を含むアセンブリでは、これにより構成部品間の要素の一致が変更され、望ましくない隙間が発生する場合があります。

修復の検証

メッシュで自動修復を実行した場合、修復により新たな問題が発生していないかを確認する必要があります。

メッシュ クリーンアップの終了後、メッシュ統計情報レポートを再実行し、必要に応じてメッシュ修復ウィザードを再実行して、すべての発生する可能性がある問題が修復されているかを確認することを推奨します。