金型材料

冷却解析を実行するには、すべての金型モデル表面で金型材料を定義する必要があります。これにより、その金型材料に関連付けられたプロパティを使用して、その金型デザインでの冷却速度を正確に予測することができます。

冷却パフォーマンスに対する影響

冷却システムのパフォーマンスは、プラスチック成形品から金型キャビティ表面に熱が移動する速度によって変化します。この速度は、材料特性、溶融樹脂と金型表面との温度差、および冷却中の樹脂と金型材料との接触状態によって影響を受けます。

金型材料から冷却管への熱伝達によっても、冷却システムのパフォーマンスが変化します。熱伝達は、金型内を流れる冷媒に発生する乱流、冷媒の入口温度、冷媒の特性、および冷媒流量の影響を受けます。

熱伝導率

冷却システムのパフォーマンスにとって、金型材料の熱伝導率も重要です。熱伝導率の単位は、メートル法では W/mK(ワット/メートル・ケルビン)、ヤード ポンド法では(Btu/hr)/ft/F [(イギリス熱単位/時)/(フィート/華氏度)] です。熱伝導率が高い材料ほど、良好な熱伝導体です。

事前定義されている金型材料について、一般的な熱伝導率を次に示します。

金型材料 熱伝導率(W/mC) 比熱(J/kgC) 密度(kg/m3)
ステンレス 24 460 7800
P20 スチール 29 460 7800
低 TC 銅合金 90 420 8400
中 TC 銅合金 160 420 8400
アルミニウム 170 780 2800
高 TC 銅合金 250 420 8400
注: 充填+保圧解析 は金型面の温度境界条件を考慮して、指定した金型材料に関係なく同じ結果を出力します。金型材料の変更による影響を調べるには、冷却解析 を実行する必要があります。