Dual Domain メッシュ一致診断

Dual Domain モデルでは、成形品の肉厚は、成形品の反対側にある要素との間の距離を計算することで決定します。理想的には、要素が 1 対 1 で対応していることが望ましいですが、メッシュのパターンの相違、または形状や成形品の両側の曲率の相違などによって対応していないのが普通です。

メッシュの一致は Dual Domain 繊維配向反り解析では特に重要です。メッシュ偏差に起因する両側スキンの繊維配向の不整合性は、キャビティ内の実際の流動挙動以上に、反り予測に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

Autodesk Simulation Moldflow Insight および Autodesk Simulation Moldflow Design Link のメッシュ トランスレータには、メッシュ一致テクノロジが組み込まれています。これにより、Dual Domain メッシュの反対側のスキン上の要素との一致数が最大化されます。トランスレータによって達成されたメッシュ一致の概要は[メッシュ統計情報]レポートに示され、[Dual Domain メッシュ一致診断]プロットでグラフィックス表示ができます。次の 2 種類のメッシュ一致パーセンテージが報告されます。
一致パーセンテージ
成形品の反対側で一致する要素が見つかった要素のパーセンテージ
相互一致パーセンテージ
「一致要素」が元の要素と相互的に一致したパーセンテージ
上記のいずれの場合も、エッジ要素は計算には含まれません。

下図の例は、完全な相互メッシュ一致を示しており、要素 1 は要素 2 と相互に一致しており、要素 3 と要素 4 も相互に一致しています。


相互メッシュ一致の良い例

下図の例では、一致パーセンテージは 100% ですが、相互一致パーセンテージは 0% です。


相互メッシュ一致の悪い例

解析で推奨される一致パーセンテージ

次の一致パーセンテージが推奨されます。

  • 一般的な充填+保圧解析では、メッシュの一致パーセンテージおよび相互一致パーセンテージの推奨最小値は 85%。一致パーセンテージが 50~85% である場合、警告が発生する。一致パーセンテージが 50% 未満である場合は、解析はエラーが発生して終了する。
  • 多数のリブがある複雑な形状の成形品に対しては、高い一致パーセンテージを推奨。
  • 繊維配向充填+保圧解析および繊維配向反り解析で高精度な解析結果を取得するためには、一致パーセンテージおよび相互一致パーセンテージは 90% 以上を推奨。反り解析での一致パーセンテージの推奨最小値は、非充填材料の使用時は 70% で、繊維充填材料の使用時は 80%。