Autodesk Nastran ソルバーと関連オプション

Autodesk Nastran ソルバー

Autodesk Simulation Mechanical 2015 製品の機能強化リリースでは、Autodesk Nastran ソルバーを使用して、特定のシミュレーションを実行できるようになりました。これらの Nastran ソルバーはネイティブの Simulation Mechanical ソルバーの代わりに、次の 4 つの解析タイプで使用できます。

Autodesk Nastran ソルバーを使用してシミュレーションを実行した場合、すべての Simulation Mechanical ソルバーと同様に、[出力バー]に概要ファイルおよびログ ファイルを表示できます。

使用するソルバーを選択する方法

3 つの場所で使用するソルバーを選択できます。Nastran オプションおよびコマンドは、上記の 4 つの解析タイプでのみ使用できます。

  1. [オプション]ダイアログ ボックスの新しい[プロセッサ]タブ([ツール] [オプション] [アプリケーション オプション] [プロセッサ])を使用して、希望するソルバーを指定します。Nastran でサポートされている解析タイプのみが、このダイアログ ボックスのタブに表示されます。その他の解析タイプはすべて、ネイティブの Simulation Mechanical ソルバーを使用します。[デフォルト プロセッサ]列のドロップダウン ボックスを使用して、次の 2 つのオプションから選択します。
    • [SimMech]: 既定でネイティブの Simulation Mechanical ソルバーを使用します。
    • [NASTRAN]: 既定で代わりの Autodesk Nastran ソルバーを使用します。

    [解析] [解析] [シミュレーションを実行]コマンドをクリックすると、既定のプロセッサが最初に使用されます。このコマンドは、ブラウザ内の設計シナリオの見出しを右クリックすると表示されるコンテキスト メニューからも利用できます。

  2. [解析]リボン タブの[解析]パネルにある、次の 2 つのコマンドから選択します。これらのリボン コマンドは、[アプリケーション オプション]で指定された既定のソルバーをオーバーライドします(上記の項目 1 を参照)。
    • [シミュレーションを実行] [SimMech で実行]: ネイティブの Simulation Mechanical ソルバーを使用します。
    • [シミュレーションを実行] [NASTRAN で実行]: 代わりの Autodesk Nastran ソルバーを使用します。

    これらのコマンドは、ブラウザ内の設計シナリオの見出しを右クリックすると表示されるコンテキスト メニューからも使用できます。

    注: 既定のプロセッサをオーバーライドした場合、[解析] [解析] [シミュレーションを実行]コマンドを使用すると、同じ設計シナリオを再び解析する場合は、同じソルバーを呼び出します。ただし、既定のプロセッサは変更されません。[シミュレーションを実行]コマンドの最初のアクションは、他の設計シナリオおよび今後のモデルに対して、[デフォルト プロセッサ]の設定に引き続き従います。
  3. [ソルバ マネージャ]の[プロセッサ]列のドロップダウン ボックスを使用して、各設計シナリオに使用するソルバーを選択します。使用可能な選択肢は、次のとおりです。
    • [SimMech]: ネイティブの Simulation Mechanical ソルバーを使用します。
    • [NASTRAN]: 代わりの Autodesk Nastran ソルバーを使用します。
      注: 最初に表示されるプロセッサは、[アプリケーション オプション]の[プロセッサ]タブで指定された既定のソルバーによって異なります(上記の項目 1 を参照)。

Nastran エラー処理オプション

Nastran エラー処理オプションの設定は、[オプション]ダイアログ ボックスの[プロセッサ]タブで指定します([ツール] [オプション] [アプリケーション オプション] [プロセッサ])。ここでは、モデルに互換性がないために、Autodesk Nastran ソルバーがエラー メッセージを返した場合の、プログラムの動作を指定します。非互換性のエラーの例には、サポートされない荷重、材料モデル、または要素タイプがあります。

[プロセッサ]タブの[エラー処理]セクションには、2 つのオプションがあります。選択肢(ラジオ ボタンで選択)は、次のとおりです。

  • [解析をキャンセル]: エラー ロギング後に停止します。
  • [SimMech プロセッサを使用して計算]: ネイティブの Simulation Mechanical のソルバーを使用して、自動的に解析を再試行します。
注: 原因が非互換性以外のエラーの場合は、解析がキャンセルされます。このような場合、Simulation Mechanical のソルバーを使用して解析を再実行するには、手動で実行する必要があります。

Nastran 応力およびひずみの出力オプション

現在実装されている Autodesk Nastran ソルバーでは、単一のケースで応力およびひずみの両方の結果を出力することはできません。この制限に対応するために、実際のまたは正規化された応力およびひずみの出力を生成する線形解析に、Autodesk Nastran でサポートされるオプションが追加されました。

線形材料による静解析では、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[乗数]タブ内の[荷重ケース乗数]テーブルに 2 つの列が追加されました。これにより、個別の荷重ケースに対して、次の出力オプションを設定できます。

  • [応力(NASTRAN のみ)]: 応力出力オプションを選択するには [Y](はい)と入力します。これは既定の設定です。ひずみの出力オプションを選択するには、[N](いいえ)と入力します。
  • [ひずみ(NASTRAN のみ)]: ひずみの出力オプションを選択するには、[Y](はい)と入力します。応力出力オプション(既定)を選択するには、[N](いいえ)と入力します。
    注: いずれかの列に[Y]を入力すると、他方の列には自動的に[N]が設定されます。同様に、いずれかの列に[N]を入力すると、他方の列には自動的に[Y]が設定されます。

固有値解析では、応力/ひずみの出力オプションは、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[出力]タブ内にあります。次の 2 つのオプション(ラジオ ボタンで選択)が、[出力]タブの[NASTRAN 応力/ひずみ]セクションに表示されます:

  • [正規化された応力]
  • [正規化されたひずみ]
注: これらの応力/ひずみ出力オプションは、ネイティブの Simulation Mechanical ソルバーを使用する場合には効果がありません。Autodesk Nastran ソルバーを使用した場合にのみ、要求された出力タイプが生成されます。未解決のモデルを Nastran ファイルにエクスポートする場合は、応力/ひずみオプションが、Nastran デッキの[ケース コントロール]セクションの要求された出力タイプをコントロールします。

Nastran 固有のソリッド メッシュ特性(分割ピラミッド要素)

Simulation Mechanical で既定のソリッド メッシュ タイプは、8 節点ブリック、6 節点ウェッジ、5 節点ピラミッド、および 4 節点 4 面体で構成される、6 面体優位のハイブリッド メッシュです。通常、Nastran ソルバーはピラミッド要素を直接はサポートしていません。特定の Nastran バージョンに応じて、各ピラミッドは縮退 CHEXA ブリック要素として表現するか、2 つの 4 面体要素に分割する必要があります。

Simulation Mechanical 2015 製品の機能強化リリースの新機能では、Autodesk Nastran ソルバーを使用してシミュレーションを実行すると、ソルバーを呼び出す前に、ソリッド メッシュ内のすべてのピラミッド要素が、自動的に 4 面体要素に分割されます。これは、[デフォルト プロセッサ][NASTRAN]に設定されている、または[NASTRAN で実行]リボン コマンドを使用する場合に適用されます。

注: このピラミッド要素の分割操作は、Simulation Mechanical 内で Autodesk Nastran 解析に対してのみ実行されます。未解決のモデルを Nastran ファイルにエクスポートする場合は、ピラミッドは結果の Nastran デッキで縮退 CHEXA 要素として表現されます。