周波数応答解析

周波数応答解析のすべての荷重は、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスで指定します。 このダイアログ ボックスにアクセスするには、ツリー表示の[解析タイプ]見出しを右クリックして、[解析パラメータを編集]を選択するか、[設定][モデル設定][パラメータ]コマンドを使用します。

[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[メモリーの配分率]では、要素データの読み込みおよびマトリックスのアセンブルに使用する利用可能な RAM の割合を制御します。(値が 100% 以下となる場合は、使用可能な物理メモリが使用されます。 この入力値が 100% より大きい場合、メモリの配分では利用可能な物理および仮想メモリが使用されます。)

[解析設定]ボタンをクリックして、[周波数応答解析入力]ダイアログ ボックスを表示します。

周波数応答解析ではモーダル解析の結果が使用されるため、[周波数応答解析入力]の最上部にある[設計シナリオの固有値解析結果を使用]フィールドを使用して、モーダル結果を含んでいる現在のモデルの設計シナリオを指定します。

注: 周波数応答解析の[モデルの単位系]は、モーダル結果の[モデルの単位系]と同じである必要があります。

励起周波数の定義

[周波数応答解析入力]ダイアログ ボックスの[励振周波数]タブで励起周波数を定義します。励起周波数の個別のセットを作成し、周波数インデックスを使用してモデルの異なる領域に適用できます。既定により、周波数は、周波数インデックス 1-Freq Index 1 に配置されます。[新規]ボタンを押すと、新規の周波数インデックスを作成できます。[周波数(Hz)]列に値を入力して、現在の周波数インデックスの各周波数を指定します。 これらの周波数に加え、固有振動数を含むには、[固有振動数を含む]チェックボックスをアクティブにします。

注:
  • 所定のインデックスに複数の周波数を指定すると、個別の荷重ケースが生成されます。各周波数が独立して発生する場合は、構造が解析され、二乗和平方根(SRSS)が計算されます。
  • 結果環境では、各周波数の内-フェーズ、外-フェーズ、SRSS の励振を表示できます。 これは、[結果オプション] [解析指定][応答タイプ]プルダウン メニューで制御します。
重要:
  • 周波数インデックスは、インデックス 1 から始まり、連続的である必要があります。例えば、インデックスは、1、2、3 のようになる必要があり、1、5、7 は不正です。
  • すべての周波数インデックスには、同一の強制周波数が含まれていなければなりません。

励振される節点の定義

励起周波数の適用先の節点は、[周波数応答解析入力]ダイアログ ボックスの[励振される節点]タブで定義します。すべて荷重コンポーネントに同一の強制周波数を使用するには、[同じ周波数の荷重]チェックボックスをアクティブにします。このチェックボックスをアクティブにすると、二条和平方根(SRSS)は実行されません。アクティブ解除すると、二条和平方根(SRSS)は実行されます。

[固有振動数のクラスタ係数]フィールドに入力する値は、1 つのモードから次のモードへの周波数の最小増分です。この場合、これらの周波数は個別の周波数として認識されることが想定されています。0.1 の値は、連続する周波数を個別のモードとして考慮するには、1.1 倍高くなければならないことを示しています。これは、連続するモーダル周波数が非常に近い場合に便利です。クラスタ係数を使用して、重複モードを無視します。

節点セットを使用して、異なる節点に異なる周波数インデックスを適用できます。既定により、節点は 1-Node Set 1 に配置されます。新規節点セットを作成するには、[新規]ボタンを押します。

各接点セットでは、特定の節点または境界条件を含むすべての節点のいずれかに周波数を適用できます。特定の節点に周波数を適用する場合は、[節点番号]セクションの[使用した活性化の節点番号]ラジオ ボタンを選択して、隣接のフィールドにその節点番号を指定します。境界条件を含むすべての節点に周波数を適用するには、[節点番号]セクションの[基礎励振]ラジオ ボタンを選択します。

節点に適用される荷重が加速度である場合は、[励振のタイプ]セクションで[加速度の入力]ラジオ ボタンを選択します。節点に適用される荷重が力である場合は、[加速度の入力]セクションで[力入力]ラジオ ボタンを選択します。次に、適切なラジオ ボタンを選択して、[励振の方向]セクションで荷重の方向を定義します。節点の励振では、方向は、節点が割り当てられているローカル座標系に対応します。例えば、X 方向は、円筒座標系のラジアル方向です。(追加の詳細については、「解析の設定と実行」>「ローカル座標系を使用する」ページを参照してください。)基礎加速では、方向は全体方向です。

現在の節点セットに適用する周波数インデックスを[励振周波数のインデックス]ドロップダウン メニューで指定します。[同じ周波数の荷重]チェックボックスをアクティブにすると、[適用された励振の移相(度)]フィールドで移相角度を指定できます。最後に、スケール係数を[振幅スケール係数]フィールドに指定する必要があります。この係数によって、この節点セットに適用した荷重の振幅が乗算されます。

減衰比率の定義

減衰比率(減衰定数)は、[周波数応答解析入力]ダイアログ ボックスの[減衰比率]タブで定義します。[周波数(Hz)]および[減衰比率]列でデータ ポイントを定義して、減衰比率対周波数曲線の関係を作成します。

[励振周波数]で指定した励起周波数における減衰比率は、[減衰比率]タブの周波数値間で線形的に補間されて計算されます。したがって、[減衰比率]タブの周波数は、励起周波数に一致する必要はありません。(1 つの行のみを入力した場合、減衰値はすべての励起周波数で使用されます。)

減衰は所定の要素に対して一意ではありません。減衰は、モデル全体に分布されるか、または等価粘性減衰です。したがって、減衰による力は結果には表示されません。例えば、基礎加速が発生する構造の工学的表示は、通常、図 1a のようになります。基礎(y)を動かす力には、減衰力 z が含まれます。FEA での減衰は、粘性減衰であるため、より優れた解析表示は、図 1b のようになります。 このシナリオでは、減衰力は、解析の結果として表示されません。ばね k でレポートされる力には、減衰は含まれません。

図 1a: 工学的回路図 図 1b: FEA での表示

振幅の定義

振幅は、[周波数応答解析入力]ダイアログ ボックスの[振幅]タブで定義します。[周波数(Hz)]および[加速度]または[力]列にデータ ポイントを定義して、振幅対周波数曲線の関係を作成します。加速度の入力は G 単位です。この表から決定するすべての値は、重力定数を使用して加速度に変換されます。力の入力は、単位系に基づいた力の単位です。

[励振周波数]で指定した励起周波数における加速度および力は、[振幅]タブの周波数値間で線形的に補間されて計算されます。したがって、[振幅]タブの周波数は、励起周波数に一致する必要はありません。(1 つの行のみを入力した場合、振幅値はすべての励起周波数で使用されます。)

構造に対する励起周波数が[振幅]タブに入力した最小または最大周波数を超える場合、最も近い入力周波数が使用されます。したがって、すべての励起周波数に同一の荷重を適用する場合、[振幅]タブでは 1 つの行の入力のみが必要になります。

出力ファイルのデータの制御

解析が実行される前に、追加の結果を出力するよう指定できます。[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[出力コントロール]セクションを使用すると、書き出す結果を指定できます。

  • [変位データ]チェック ボックスまたは[応力データ]チェック ボックスをアクティブすると、関連する結果がサマリー ファイル、応力テキスト ファイルにそれぞれ取得されます。この出力は非常に大きなものとなるため、また[結果]環境で使用できる結果はこれらの設定の影響を受けないため、選択した結果のみが必要な場合は[結果]環境を使用するとよいことがあります。
  • [中間節点の応力/ひずみ (binary)]チェック ボックスをアクティブにすると、中間節点の応力とひずみがバイナリの結果ファイルに出力されます。これらの結果は[結果]環境で確認できるようになります。(中間節点は、[要素定義]ダイアログ ボックスで特定の要素タイプに対してアクティブにできるオプションです。)